short・巣栄
□鈴蘭の君
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雨が降ってる。
濡れた新緑が艶かで、いっそうに綺麗だ。
窓の外、ぼんやり眺めている君の横顔は愁いを帯びて。
まるで、雨にうたれる花のよう。
声をかけたら、笑って応えてくれるだろうけど。
なんとなく躊躇われた。
休み時間が終わるまで、このまま君を見てようか。
五月雨に、触れれば散ってしまいそうな白い花。
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