short・水栄


□Dark eyes only for you.
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「手を出して」

促されるまま右手を差し出す。
「左手もだよ」と言われて言葉通りにするとクスリと笑われた。

「ばかだなぁ、栄口は」

何がおかしいのかと水谷の顔を見れば、茶色の瞳を楽しげに輝かせて俺の両手をひとまとめにしてタオルで縛ろうとしていた。


「なに…?やめろよ…!」

慌てて両手を引こうとしてももう遅い。我慢できなくはない程度の痛みをもってギュッとタオルで拘束される。

この前もこんな方にタオルで縛られた。あの時は後ろ手にだったけど。

やめて、解いてと泣きながら頼んでも、水谷が満足するまで許してもらえなくて……。

「っ、やだ。ほどけよ」

水谷は震える俺の手を爪先でなぞってゆるりと微笑んだ。

「嫌なの?」


耳朶に触れる熱い吐息にビクリと肩をすくめる。腰を引き寄せられ、さらに密着する水谷の体。いつもは水谷の温もりを感じると落ち着くのに、今日は怖い。

縛られた手で水谷の胸を押したけど、かぷりと耳殻を噛まれると反対にギュッと水谷のシャツに縋ってしまった。


「痛っ、やっ」

痛かった?ごめんね、とねっとりと舌が耳を舐めあげる。

ぞぞり、と首すじが粟立つ。嫌だ、やめろと強く言いたいのに、俺の口からはふにゃふにゃした声しか出てこない。


「こんな可愛い声で、イヤとかやめてとか言われたっておねだりしているようにしか聞こえないよ……」

「そんなことっ」

「ねぇ、栄口。ホントに嫌?いっぱい泣かして、トロトロに溶かしてあげるけど?」






…………………


久しぶりに変態水谷を書くの楽しかった(*≧∀≦*)

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