short・巣栄
□Sweet honey 2
2ページ/2ページ
「すやまぁ」
甘えた声とともに、首の後ろに両手が回される。
おねだりする子どものようでいて、徒っぽい。栄口の不思議な色香にくらりとする。
「もう平気だから……も少し…早くシて…?」
「っ、」
加減していた腰の動きを早め、栄口の感じずにはいられない、しこった箇所を攻める。
「これで、い?」
「あぁっ、あ、ぁ…ンっ」
強く擦り上げると矯声が上がった。
「栄口…、気持ちい?」
食むように締め付ける内部の反応と、どっと先端から溢れてくる蜜とで答えなど分かりきっているけど。
「……ッ、イイ、気持ち、い」
吐息交じりの栄口の言葉は俺を高揚させる。
快楽に酔った目をして、うかされたように答える栄口をいささか乱暴に立て続けに突き上げた。
ーー本当はもっと激しく、壊れるくらい奥まで突き入れて揺さぶってやりたい。
けれど自分本位の欲求のために、栄口の限界を越えさせる訳にはいかない。
本来行為を行うべきじゃない器官を、俺への愛情故に委ねてくれている栄口の信頼を裏切るようなことはしたくない。
ーーそれが俺の栄口への愛情であり責任だと思うから。
凶暴な獣のような欲望をかろうじて抑えつける。
栄口に耐えられるだろうギリギリいっぱいまで抜き差しのスピードを上げて、貫くたび挿入を深くする……。
後ろの入口までやらしい液が垂れてきて、滑りもよくなっているから痛くはない筈だ。
手の中で堅く張り詰め、ビクビクと震える栄口自身の根元をきゅっと塞き止める。
「やッ、だぁ…」
「ごめん。もうちょっとだけ、我慢して?」
一緒にイこう、と囁くと涙目でコクリと頷いた。
「すやま…ぁ」
何度も何度も繰り返し、熱い内部に自分のものを突き挿れる。
爛熟した肉襞はそれ自体が一個の生き物のように、悦びに満ちた締め付けで俺を迎えてくれる。
ヌチュヌチュと卑猥な音と短く忙しない息づかいの中……
「すやま、すやま…っ」
ひたすら自分の名を呼び、腰に足を絡めてくる愛しい恋人の矯態を見れば、それだけで達してしまいそうだ。
「すやまぁ、もうっ…イキた…っ」
「んっ、一緒にイこう…なっ」
加速していくスピード、
より深くなっていくストライド。
俺は今、優しくできているのだろうかーー。
「すやま、すやまっ、すき…っ」
栄口は容易く俺の理性を突き崩す。
腰を前後させながらーー根元の戒めを緩める。
「あ、あ、ぁ……イク…ッ!イっちゃ…ぅ、あぁーーっ」
「さかえぐち…っ」
熱い迸りを手の平に受けると同時に、食いちぎらんばかりに締めつけられて、低く呻いて俺も栄口の中で果てた。
「はぁっ…はぁっ、は……」
絞り切るように腰を振り、快楽の余韻に浸りながらズルリと俺自身を引き抜くと、栄口が甘い声を上げて身じろく。
半ば意識を飛ばしている、とろんとした瞳とか、、半開きの濡れた唇とかに解き放った筈の欲望がざわり騒ぎだす。
「すやまぁ……」
差し伸べられた手をぎゅっと握り返す。
ずっといつまでも、こうして温もりを分かち合える二人でいたい。
「も一回、する……?」
花が綻ぶように微笑まれ、誘うように問いかけられて、一瞬惑う。
「ーーいや、俺はーーいい。栄口も……もう寝たほうがいい。明日、ツラくなるぞ」
潤んだ瞳から無理やりに視線を逸らす。
けれど、俺の好きなーー今は少し掠れてしまってるーー優しい声がふわりと耳をくすぐる。
「ヤだ。も一回。ーー今度は巣山の好きにして……?」
俺の中で、凶暴な獣が頭をもたげる。
大切な君を大事にしたいのに。
* * *
第2ラウンドはどうなるのでしょうかっ。
ドキドキッ。
誰か続きプリーズ!
次はバックから、それこそ獣のように……!←
煩悩に苦悩する修行僧のような巣山と、無意識に色気を振り撒いて誘ってる栄口くんってイイよねっ。
ーーというコンセプトで書き始めたのですが、ご賛同頂けたらいいなぁ。
初めて巣栄で本格的(?)な裏を書きましたが、すっごく萌えました!
ほぼ満足。
しばらく巣栄エロはいいかな。
基本、この二人は寸止めが美味しいと思うのです。
.