short・水栄
□Sweet lovers3
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目についた資料室の扉を開けて、衝立の後ろに栄口を引っ張り込むと、後頭部を支えて噛みつくようなキスをする。
「水谷っ」
抗議のために開いた唇に強引に舌を割り込ませる。
逃げる舌を舌で追いかけて捕まえると、遠慮なく絡ませて強く吸った。
「ん!ふっ」
カルピスの甘さが残る口の中を舐め回すと、肩を押し退けようと上がった手がぎゅっと俺のシャツを掴んだ。舌で歯茎を辿るとビクビクと震えて反応を返してくる。
「はっ、ぁ」
角度を変えるたびにより深く、何度も何度も口づける。
酸素を求めて苦しげ眉を寄せていた栄口が目を開けて限界を訴えてきた。
俺は最後に温かい舌先を軽く噛んでから唇を離した。
キンコーンカンコーンとチャイムの音が響いたけど、粗い呼吸を必死で整える栄口には聞こえてないみたいだ。
「あふっ、はぁっ、はっ、」
俺は舌を伸ばして、栄口の柔らかい下唇をぺろりと舐めた。
「ん……」
酸欠でぼーとなっている栄口は俺のなすがまま。ついばむようなキスを受けて気持ち良さそうにしている。
シャツをつかんでいた手も力が抜けてだらんと下ろされていた。
「顎、上げて」
ささやくと、とろんとした目のまま素直に顎を上げた。
晒された華奢な首に舌を這わすとカルピスの味がした。
「……あっ、みず、たにっ」
ビクンと跳ねた肩を片手で押さえて、下から上、上から下と舌を往復させる。ざわっと栄口の首筋に鳥肌がたったのが分かった。
「カルピス、ベタベタして気持ち悪いよね?」
喉に唇を当てて話すと、背中を反らせて頭を振った。
「やっ……も…授業……」
「とっくに始まってるよ」
「行かない…と」
「行かせない」
あんなことで盛ってがっつくなんてカッコ悪いと思うけど止まらない。
空いてるほうの手を栄口のTシャツの裾から差し入れて脇腹を撫で上げる。息を詰めた栄口の目を見つめて、きゅっと胸の尖りを摘まむと、唇から色めいた声がこぼれ、目元が赤く染まった。
ハッと唇を噛んで顔を背けた栄口の下半身に俺の下半身を密着させる。
「やめ…っ」
「こんな状態なのに授業なんて受けれるの?」
ぐいっと腰を押し付けると、栄口のモノも俺のモノも一段と強度を増した。
「んあっ。こんな…とこで……」
Tシャツからカルピスの甘い香りをさせた栄口が身を捩って逃げようとする。
「誰も来ないよ」
俺は栄口の耳をれろんと舐めて、耳朶を舌と唇を使って優しく食んだ。
と同時に指で摘まんでいた胸の突起をクニクニと刺激してやった。
どっちも栄口の弱いところで、ここを愛撫すると可愛らしく鳴いて身を委ねてくる。
「あ、んっ…。みったに…」
「シてもいい?」
「で、も……」
さすがに鍵の掛からない資料室(しかも授業中だ)には抵抗があるのか、とろける声を溢しながらも首を縦に振らない。
俺は栄口Tシャツを胸元までめくると、まだ触れてもいないのにぷっくりと膨らんで立ち上がっている、もう片方の乳首を舌でちろちろと舐めた。
「ひあ、ぁっ、やぁっ」
ほのかにカルピスの味がするのは気のせいかな。
(あぁ、もうカルピス飲めないな。思い出すことが多すぎるよ)
「ね、いい?」
舌で突起を転がして聞けば、俺の髪を掴んで胸から引き剥がそうとしていた栄口の手が背中に回された。
俺はそれを承諾と受け取って栄口のベルトに手をかけた。
「声、がまんしてね」
ガマンなんて全然できてない自分を棚に上げて、捲り上げたTシャツの裾を栄口に噛ます。
潤んだ目で見上げてくる栄口を可哀想に思いながら、めちゃくちゃにしてやりたい自分がいる。
ごめんね、俺、我慢できなくて。
こんなとこで、嫌だよね……。
分かってるのに止めてあげられなくて。
でも、俺の下で声を殺す栄口は状況に煽られたのかいつもより感じてるみたいで、俺ももう中に入る頃にはわけ分かんなくなって、夢中で腰を振って欲望をぶちまけた。
……………………………
我慢の効かない水谷くんでした。
sweet lovers になってますか?
……微妙ですよね。
甘々な二人がいちゃついてるとこが書きたかったんだけど、なんか違う。
「こんなとこでダメだよ」
「えぇ〜、だって栄口が可愛い過ぎてガマンできないよぉ」
「もう……仕方ないなぁ、水谷は」
「いいの?栄口」
「今日だけだからね」
「わぁーい、栄口だい好き〜」
……みたいなやつを書こうとしてたんですが。
因みに、水谷に腕を捕まれて引っ張って行かれたとき、栄口くんはカルピスの入った紙コップを廊下に落としていったので、花井と田島が片付けしました。
田島は自業自得だけどキャプテン花井はちょっと気の毒。