青の祓魔師

□そのまま
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気がつくとアイツばかり見てる…

奥村燐。

こんなにも他人が気になるのは初めてや…





「なぁなぁ勝呂〜?」

「なんや!!」

「ゴメン。悪かったって」

奥村は、顔の前で両手を合わせて謝る。

「ホンマに悪い思っとんのか?」

「思ってるって……たぶん…」

「たぶんって何やたぶんって!」

奥村の無防備さは前からや…

奥村と志摩と神木が海に行って、俺と子猫丸は、バリヨン探しに山へ行った。
まぁ、それはしゃーない事やったし。
奥村もメールを何度もくれた。
せやから、全く安心してた…まさか、その時の写真に、笑顔で志摩に肩を抱かれてる奥村があるなんて…。奥村が志摩に乗っかってる写真があるなんて…

「だってさ………」

それに対して、奥村が全く意識しとらんのが気に入らん!

「だって…志摩は友達だし。」

「あぁ、そうですか〜」

教室の席から立ち上がって外に出て行こうとする俺を奥村の手が停める。

「何だよ!どこ行くんだよ!」

「何処でも、えーやろ…お前はお友達と仲良くしとればいい!」

「勝呂!」

反省しぃ!!

俺は、お前が好きや…好きなの分かってて、何で?………………………何で俺にこんなん見せるんや?

お前は俺の何なんや!


勢い良く、教室のドアを開け…様とすると、後ろから力強く抱き締められる。

「勝呂…待ってくれよ…。久々に会えたのに…」

「俺かて、ずっと会いたかった…」

「志摩はさ…ドキドキしねぇんだ…」

奥村は顔を背中にくっつける。

奥村の顔が熱い…

「勝呂だけなんだよ…こんなにドキドキすんの…」

「…………」

さっきまでの怒りが引いて行くのが解る

俺も単純な男やな…。

「ホンマか?」

「嘘なんか吐かない…ほらっ。」

顔だけやなくて奥村の心臓の鼓動を感じる。

「俺、勝呂じやねぇとトキメかねぇみたい…」

「あほ…。そんなん…」

抱き締められた腕を振りほどき、奥村の方へと振り返る。

「俺かて、そうや…」

今度は、俺から奥村をギュッと抱き締める。

「俺かて、お前や無かったら…こんなにイラつかん。」

お前以外やったら平気なのに…お前やからダメなんや…

「勝呂…あの…その…」

顔を赤くして、ゴニョゴニョ言うのは、キスして欲しい時の合図。

「アホ。罰や。今日は、お前からしぃ〜」

奥村は赤い顔を更に紅くしてうつ向く。

奥村がそう云うのが苦手なんは知っとるけど、たまには俺かてして欲しい。

「しとうないなら、え〜けど?」

「したい!」

奥村がキスしやすい様に、少し屈んで眼を閉じる。

眼を閉じると奥村の息が段々と近寄ってくるのが解る。

鼻息荒い…

そう思った瞬間に、ブフォっと吹き出す。

アカン…からかいがい有りすぎや…

思わず腹を抱えて疼くまる。

「何だよ!」

「お前、鼻息荒すぎや…堪忍してや〜」

「!!」


奥村の顔がワナワナと表情を変える。

おっ!怒ったんか?

そう思ったら、スッと笑顔になる。

??

「どないした?」

「ん〜。勝呂が笑ってくれて良かったと思ってな…」

卑怯や…

そないな事言われたら、俺のやる事はやっぱりコレやな。

「好きや…。」

立ち上がって奥村を抱き締める。

「俺も…」

吸い込まれる様に唇を重ねる。
奥村の柔らかい口唇が恥ずかしそうに少し震える。

「なぁ…俺達がキスしたのって何回目だっけ?」

「5回目や…」

「そっか…。」

「わる…。スグに…………………」

もう一度口唇を重ねる。

「6回目や…」








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