シュシュ
□出逢ったから
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髪Love
あ〜あ、ストーリーを作る自信はあるんだけどなぁ…絵かぁ…
月曜日の朝、いつもよりも少しだけ早起きしてコンビニでWJを買いながら大きな溜め息をつく高木秋人。
中学に入ってマンガを描いてるヤツと言ったら、1年の時のアイツ位しか知らないんだけど…
アイツだけどは絶対に嫌だ!
好きか嫌いかなら絶対的に嫌いだ!!!
『はぁ〜、絵上手いヤツいないかなぁ〜』
本日2度目の溜め息をつく。
「絵ならサイコー上手いぞ」
『へっ』
いつの間にか隣にいたクラスメートの鈴木がさらっと答えた。
『だれ?』
「同じクラスのサイコー。真城最高だよ。ほらっ今入って来た」
言われるままに視線を前に移すと、白のイヤホンをして少しだけダルそうに歩いてくる、いかにもまだまだ成長期の少年が見えた。
!!!!!!!
一目惚れってあるんだと思う。
なんで、あのアホ毛はカワイイだ!
歩く度にぴょんぴょんと揺れている。
ヤバイ。気になる!
で、顔は…
うん。好きな顔だ!
あとは性格だな…いきなり話しかけてみる程の勇気もないし、嫌なヤツだと後に退けなくなる。
アホ毛がカワイイだけで、一緒にマンガ描く奴を決める程バカな事ないしな…
それから、真城の観察を始める。
こういう時に一番後ろの席っていいな。
サイコーと呼ばれている彼は、授業中にカリカリと何かをノートに描いている。その度にアホ毛もリズム良く動く
何描いてるんだろ?
指摘された問題を黒板で答えて戻る時がチャンスだ。
「この問題解るや…
先生の言葉が消えない内に勢い良く手を挙げる。
岩瀬がチラッと見て、同じように手を挙げたが、こういう時に学年1番は役立つ。
「じゃあ、高木。」