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□ぼやける視界
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ぼやける視界の中、見えたのは黒ずんだ天井。
ベッドに投げ出された手に僅かな温もりを感じる。
ゆっくり自分の手に視線をやった。
「…っ浜崎の……おじさん…」
自分の手を握っているのは、紛れも無く遥だった。
「…っは…ぁ…なぁ…遥ちゃんよ…」
「もう、しゃべらない方がいいよ…!!」
「一つだけ……一つだけ桐生と冴島に伝えて…欲しい…っ…」
遥は大きい瞳でこちらを心配そうに見つめている。
「…っ…警察から…とうじょう…かいを守ってくれ…」
「うん、…っ分かったから…」
「とうじょ…かいは…俺たちの生きた証……っだ…ってよ…」
「…おじさん………」
浜崎は細かく震える腕を、遥の頭に乗せた。
「…色々…迷惑かけて…悪かったな…ありがとよ。」
ふっと浜崎の腕が、ベッドに落ちる。
「…っおじさ………おじさん!おじさん!!!!」
浜崎は目をゆっくり閉じた。
暗闇の中で愛しい兄弟の笑顔がポッと浮かぶ。
(もういちど…冴島に会いたかったな……………っ兄弟……)
ピーと鳴る電子音とともに、浜崎は決して覚めない眠りについた。
終わり。
*暗いっすねww
でも自分的には、冴島に会って欲しかった。
でもきっと浜崎は後悔はしてないと思う。
冴島が神室町に行って、妹に会って真実を確かめられれば、それで満足だったんだと思う。