main

□ぼやける視界
1ページ/1ページ




ぼやける視界の中、見えたのは黒ずんだ天井。

ベッドに投げ出された手に僅かな温もりを感じる。

ゆっくり自分の手に視線をやった。

「…っ浜崎の……おじさん…」

自分の手を握っているのは、紛れも無く遥だった。

「…っは…ぁ…なぁ…遥ちゃんよ…」

「もう、しゃべらない方がいいよ…!!」

「一つだけ……一つだけ桐生と冴島に伝えて…欲しい…っ…」

遥は大きい瞳でこちらを心配そうに見つめている。

「…っ…警察から…とうじょう…かいを守ってくれ…」

「うん、…っ分かったから…」

「とうじょ…かいは…俺たちの生きた証……っだ…ってよ…」

「…おじさん………」

浜崎は細かく震える腕を、遥の頭に乗せた。

「…色々…迷惑かけて…悪かったな…ありがとよ。」

ふっと浜崎の腕が、ベッドに落ちる。

「…っおじさ………おじさん!おじさん!!!!」

浜崎は目をゆっくり閉じた。

暗闇の中で愛しい兄弟の笑顔がポッと浮かぶ。














(もういちど…冴島に会いたかったな……………っ兄弟……)


ピーと鳴る電子音とともに、浜崎は決して覚めない眠りについた。
















終わり。


*暗いっすねww
でも自分的には、冴島に会って欲しかった。
でもきっと浜崎は後悔はしてないと思う。
冴島が神室町に行って、妹に会って真実を確かめられれば、それで満足だったんだと思う。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ