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□大きい背中、伸ばす腕
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最近、冴島さんに会ってない。

東城会の幹部になった冴島さんは最近すごく忙しいみたいで、会えてない。

まぁ自分も、生活安全課から刑事課に移動したからすごく忙しいんだけど。

でも今日は俺非番だし、冴島さん会えないかなぁなんて思って電話をかけてみる事にした。

5コール目で冴島さんは出た。
「…お、谷村か。」

「冴島さん、今から会えませんか?」

「…………いきなりやな…」

「だって最近会ってないじゃないですか。会いたいんです。」

少しの沈黙。

考えてるみたいだ。

「…分かったわ。丁度今日は、会議も無いし大丈夫やろ。」

「ほんとですか!じゃあ、俺ん家来てください!!」

「おう。」

電話を切った俺は、嬉しさのあまりニヤニヤが止まらかった。

周りから見たら相当怪しかっただろう。

久しぶりに冴島さんとあんな事やこんな事が出来る!なんて考えてたのに。












俺ん家にきた冴島さんはというと、俺に背を向けて書類なんかを読んでる。

つまんねぇぇぇ……!!

「冴島さんっ!!久しぶりに会ったっていうのにひどくないですか!」

「…すまん、これ読まなあかんやつやねん。」

そう言う冴島さんは、こっちすら見てない。

ちょっとイラッとした俺は、後ろから冴島さんに手を伸ばして抱きしめる。

冴島さんは一回こっちを見てから、また書類に目を落とす。

「…冴島さん…」

「ん〜?」

「かまってくださいよ〜」

「すまんすまん。もうちょい、待ってくれへんか。」

「……………いやです。」

冴島さんの長い髪を掴んで持ち上げ、うなじにキスする。

「…っ…ちょ…待てや。」

「…待ちません。」

こっちを向いて困った顔をしている冴島さん。

それを見て俺の悪戯心に火がついた。
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