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□なんと平和なクリスタルTOKYO
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「みんなー!ヴィーナスのパーフェクトアイドル教室始まるわよー!
アタシみたいな人気アイドル目指して頑張っていってねー!」
「うっさい!!!」





小気味いい音がパレス内にある会議場に響く。
そしてその後、自称人気アイドルの悲鳴も轟いた。








「はあ、こんなのがウチのリーダーとか考えたくないわよ本当に」
そう言って副リーダーのマーズは殴った拳を振った。
何も入ってなさそうな割には思いの外石頭だったらしい。
「何よマーズったら!折角人が場の空気をなごませようとしてんのに!」
「真剣な話し合いの場でなごませるも何もないわよ!」
「まぁまぁマーズ、ヴィーナスのそれは今に始まったことじゃないしさ」
そんな空気を宥めるのはジュピターの役目。マジみんなのおかん。
「まず、ヴィーナスがアイドルだったことってあったかしら?」
「アッー」
そしてトドメを刺すのはマーキュリー。
聖剣で胸を貫かれたような痛みにヴィーナスは卓に突っ伏した。
しかしマーキュリー本人には悪意は全く無く、ただの知的好奇心なのだ。



「…………」



上座に座るネオ・クイーン・セレニティはそんな四守護神を見ても表情一つ変えず無言であった。
一瞬緩んだ空気がまた引き締まる。
流石のヴィーナスも直ぐに真面目モードに切り替わり、
「申し訳ありません。クイーン、話し合いを続けます」
「いいわ、それより少しいいかしら」
告げて、静かにネオ・クイーン・セレニティが立ち上がった。
うって変わって静寂が広がる空間。
「ヴィーナス、皆。私が言うことをよく聞いてほしいの」

全能の女神が、その口を開く。
















「みんなー!クイーンのパーフェクト女王教室始まるよー!
あたしみたいな素敵な女王様目指して頑張っていってねー!」







「わー!マーズ早まっちゃダメだー!」
「お願いジュピター止めないで!もう反逆でいいから殴らせて!!」
「ちょっとクイーン!人のネタを盗むってどうなのよ!」
「へへん、ヴィーナスよりウケたわよ」
「まず女王教室って何を学ぶのかしら?帝王学かしら?」



今日も30世紀は平和です。

→あとがき&おまけ
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