Outside
□WITH YOU
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黒い稲妻が、東京を少しずつ闇へと染めていく。
「嫌な夢を見たの」
ほたるは、ベランダの外の景色を見ながらぽつりと言った。
「…………どのような?」
同じく、紅茶を啜りながらせつなも外へ鋭い視線を向ける。
あの二人はプリンセスのところに着いただろうか?
そろそろ、外部戦士のなかでもとりわけ特殊な自分達も決戦へと足を向けなければなるまい。
「せつなさんが……殺される夢」
「…………また随分と不吉ですね」
「ごめんなさい」
かちゃ、と机にカップを置くと、せつなは微笑を浮かべながらほたるの傍に寄った。
景色はゆっくりと、でも着実に黒に染まっていっている。
「恐いですか?」
隣にいる少女は、覚醒したとはいえまだ小さい。
自分でさえこのように恐怖に怯えているのだ。小さいほたるにはとても辛いかもしれない。
「……恐くないよ。ただ」
ぎゅっ、
せつなは右手にぬくもりを感じた。
冷たい手に染み入る暖かさ。
「せつなさんがいなくなっちゃうのが、恐い」
手を握る力が強まった。