Outside

□それもまた、運命
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未来が変わる………


漠然とそれに気付いたのは、過去のプリンセスと内部戦士達がデスファントムから未来の世界を護りぬいてから少しした頃。
私にとっては本当に少しだった。

未来が、闇に包まれて見える。

そしてこの……タリスマンを使う時が近づいているようにも思う。
でも、私はクロノスの血を引く時の守人。
この時空の扉の傍から離れることは許されない。
同じ外部太陽系で、タリスマンの守護者であるあの二人はすでに地球で転生しているけど、私は転生しないままに今ここにいる。
ここを離れることは禁忌。

じゃあどうすれば?

どうすれば私は闇に変わる未来を防ぐことができる?
タリスマンの保持者として、傍観するだけなどできない。

―――プルート………


私以外いてはならないはずの空間で、突然誰かが私の名を呼んだ。
私は本能的にガーネット・ロッドを構えた。
侵入者なら、消去するのみ。

―――20世紀へ行きたいですか?

また聞こえた。だけど姿は見当たらない。
ただ、この声には聞き覚えがある。


遠い昔、私に守人の力を与えた全能なる女神。
「クイーン・セレニティ………?」


謎の声は、肯定も否定もしない。
ただ、質問の答えを促すだけ。

―――どうなのですか、プルート?

私は、宙へ向かって返事をする。
「行かなくては………。私は、貴女に与えられた神具の持ち主として、他の二人と合流する義務があります」

―――貴女は、時空の戦士としてここにいなければなりません。

「……………」

―――ですが、貴女がどうしても20世紀へ行きたいと願うなら。

「?」

―――禁忌を破るという大罪を償う時を少しだけ、後らせましょう。

それは、私に時間が与えられるということになる。
禁忌を破れば、どんな理由があろうと破った瞬間に罰を受ける。これが私に与えられた力の代償。
だが、その罰の発動が少しでもずれるという事は、私はほんの少しだけ、皆と一緒に戦えるのだ。

「それが、願えるのなら」
私は膝を着いた。
瞬間、時空の扉の周りを、銀色の鎖が何十も何重にも囲んで重なった。
それも、ただの鎖ではなく、対侵入者用の結界の役割を果たしている。
これがあれば、しばらくは私がいなくても扉は安心なはずだ。

―――行きなさい、プルート。少しの間だけ、貴女を自由に解き放ちます。


私はただ、深々と頭を下げた。
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