Outside
□沈黙と鍵
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世界は終わる。
前触れもなく目の前に現れた、見かけはまだあどけない少女がその透き通ったような声音でさらりと告げた。
「サターン………」
私はぽつりと呟く。
世界が崩壊した際、リセットを行なう使命を背負った戦士。
「あなたとの再会が、世界の終わりのときだなんて」
「次の再会も、世界の終わりのときよ」
なんて悲しい運命なのだろう。
あなたが目覚めるとき、それは世界の終わりの時。
そして私は……傍観者。
「最後くらい、一緒にいても罰はあたらないかしら」
「……破滅の戦士が、そんなことでいいのですか」
「クイーンから与えられた自由はこれだけだもの、あなたもそうでしょう、プルート」
私よりも幼い、背丈も私の胸辺りのサターン。
でも、その目だけは、何もかもを吸い込むような深い色をしていた。
「……ねぇプルート」
「はい」
「私、あなたが好き」
爆風が舞い上がる。
彼方に映る故郷、シルバーミレニアムには、神々しい光が広がっていく。