Outside
□沈黙と鍵
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「初めてです、私を好きと言ってくれた人は」
「私も初めて。人を好きと言ったのは」
光の洪水が溢れてくる。
シルバーミレニアムは、消滅した。
まもなく、私たちも。
新たな時代のためにリセットされる。
「馬鹿ね、サターン、こんな時に言うなんて」
「こんな時しかないもの、好きと言えるのは。それで、返事は?」
──────、
轟音が辺りを包んだ。
私の声は届いただろうか。
届いた、と信じたい。
だって笑ってたもの、彼女。
やがて、
私という存在は分解されて
再構築されていく。