アイシ3

□今と未来
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ルイとメグに話を聞いて、とりあえず自分も渡米すると決めた。メグは賊学のフォローがあるし私以外に一緒に渡れる人間なんていないと説き伏せて。
ルイのフォローは誰がするの?私は顔が割れてるから一緒にいられやしないけど、でもどうせ蛭魔には全部ばれているんだろうからあいつの言う通りに動けばいい。
蛭魔に連絡をして、とりあえずいつ呼び出されてもいいようにしてたんだけど。なんの意味もなかったみたいだ。
日本オールスター。
ラインバッカーは進清十郎。
ルイの出番なんて。
それでもすがるルイを本当にかっこいいと思った。勝ちに来ている。ルイが出るには進清十郎が何らかのアクシデントで引くときだけ、そんなチャンスが来るなんて思ってもみなかったけれど。
ドンの力の下に進清十郎の身体と筋肉は持たなかった。
その脅威の場所へルイが。
力の差、テクニックの差、進清十郎の足元にも及ばないルイがその進清十郎がいたポジションに。
世界への生中継、賊学メンバーもきっと見ている。不安の中で進清十郎に何かを言われたルイは決心がついたようで。
全世界に失態を晒すとしても、それは必死な姿だから。響く人にはきっと響く。
賊学の未来が大きく変わる、そんな予感がした。
今私にできることは祈るだけ。あと数分、進清十郎がフィールドに戻るその時まで。

入った瞬間に思いしらされた。
失態どころじゃない。身体は大丈夫なんだろうか、今すぐにでもベンチに走りたい。ルイの正体が知れたんだから、私の存在がばれたって何の問題もない。
それでも目を離せない。声なんて出ない、それでも食らいつくルイを必死で応援して、神様に祈った。
ルイの頑張りを無駄にしないように、勝つために、今チームは動いているはずだから。

ほら、後ろから向かってくる小早川セナはその証拠じゃないの?




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