N短編

□嘘ばっかりじゃ生きていけない
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「そういえば今日って2人の誕生日だよね」


ロンがなにげなく言った言葉が、こんなにも事態を大きくするなんて

夢にも思わなかった。




ウソばっかりじゃ生きていけない





「そういえば…」

「…そうでした」


互いに顔を見合わせてキョトンとする2人に、ロンは驚いて眉を潜めた。


「忘れてたの?」

「そらもうすっかり」
「ポーンとどこかに置いてきていましたとも」


身振り手振りタイミングもばっちり同じで答える2人。
ロンは余計に怪しんで2人の顔を覗きこんだ。


「何で?いつもならうるさいぐらい祝えって言ってくるくせに。おかげで今日まで誕生日だって気づかなかったじゃん」


フレッドがムッと顔をしかめてロンの鼻をつついた。
ロンは嫌そうに鼻を押さえて顔を引いた。


「ここんところずっと悪戯三昧だったからだって」

「そっちに夢中で全く気がつかなかった」


ジョージが悔しそうに腕組みをした。
ロンはまだ怪しんでいる。


「本当に?」

『本当に』


2人はロンの顔をべしゃりとつぶすと楽しそうに言った。


「ということは今日はエイプリルフール…」
「嘘をつく日か♪」


何をしようか。と舌鼓みを打つ2人にロンはふてくされて言った。


「嘘なんていつもつきまくってるじゃないか…」


その言葉にポンと手を打つ2人。


「それもそうだ」
「それならば」

『本当のことを言うことにしよう』








ということで

周りの人間は心底手を焼いていた。


なにしろ本当のことしか言わないとなると厄介なもので、本当の本当に本当のことしか言わないのだ。


まず一番最初に被害にあったのはリーだった。

魔法薬学の授業中。
リーが授業とは関係無いことをしていることに気づいたスネイプ教授は、フレッドを指名した。
そしてリーは何をしているのかと問う。
庇えば2人もろとも罰を与えようという魂胆だった。

しかしフレッドは悪びれた様子もなく、リーはクィディッチの本を読みながら実況の練習をしています、と教授に返した。
教室中が笑い、教授はフレッドを怒ろうとしたが彼が本当のことを言っているのだと思いだすと怒れなくなってしまった。
教授はリー一人だけに大鍋洗いの罰を命じた。


これが最初の被害の内容だ。


次に被害にあったのはケイティだった。

薬草学の授業中ジョージの横で作業をしていたケイティは彼に話しかけられて振り向いた。
するとジョージは彼女の肩についていた虫を払って、にっこりと笑った。
かわいいケイティに虫がつくのは嫌だから、と言う彼にドキッとしたのはケイティだけでは無かったはずだ。
その場にいた女子はほとんどがケイティをうらやましげに見ていたのだから。

ケイティは顔を赤くして、冗談はやめてほしい、と言ったが、ジョージはどうして?と返した。
本当にかわいいと思ってるのに。
ケイティは口をパクパクと金魚のようにさせて彼を見ていた。
もちろん顔はもっとずっと真っ赤になっていた。


このように色々な種類の被害届けがロンのもとに届いた。
皆顔を青くしたり赤くしたりと、色々な表情でやってくる。

ロンは、心底二人に無駄なことを言ってしまったことを後悔していた。


「頼むから面倒なことを増やさないでくれよ…」

「ロン、俺たちは本当のことを言っているのに」
「お前が嘘ばっかりついていると言ったから」

「あーもう分かったよ!!!!嘘つけば良いだろ!エイプリルフールなんだから!!!」


ロンがうざったそうに言うと、二人はにやりと笑って弟の肩を叩いた。


『何言ってるんだよ。誕生日なんだから、だろ♪』











ロンは色んなことを後悔していた。
一番後悔しているのは







今日この二人に話しかけたことだった。
















反省。
フレッド&ジョージ誕生日おめでとう小説〜♪
二人らしく4月1日エイプリルフールが誕生日w
ということでそれにちなんだお話ですた。
 

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