04*09

□世界の中心で…
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俺が今、愛している人は、俺の横にすやすやと規則正しい寝息を立ててお行儀よく寝ている。
こう改めて見ると、すごく美しくて、儚くて。
第一印象と被る所があって、なんだか不思議な気分だ。
 
 こういう風に夜を共にする事は初めてではない。
だけど、颯斗と俺には価値観というかなんと言うかの違いが現れていて。
今日は泊まれるか?と俺が週末ごとに聞くと、もう慣れたものだろうに、颯斗は顔を赤くして俯く。
そして、俺のシャツの端をきゅっと引っ張ったらOKの合図。何も言わなかったらNOの合図。
その合図によって俺の次の行動が決定する。
NOだったら、そうか。って言って、優しくキスしてやる。それだけだ。
だけどOKだったら、そのまま颯斗を部屋に呼んで、犯す。
最初は自分がされている行為の羞恥になかなか心を開いてくれない颯斗を愛撫、キスで啼かせる。
それから身体はもちろん心も曝け出させる。
それが俺の毎回の颯斗との愛の育みの仕方だった。
だけど今回は何故か全然違っていて。
俺が最初にやろうと思ったところまでは良かった。そこからだった。
「どうした?颯斗。」
いつもなら俺の後ろをテケテケ付いてくるだけだったのに今日は何故か俺のシャツを掴んだまま、動こうとしない。
「かい…、ちょ…、あ、の…」
それどころか、こう言ったきり微動だにしなくなってしまったのだ。
体調が悪くてそうなっているんだったら、と思って俺は颯斗の顔を覗き込む。
「っ…」
驚いた。
今まで颯斗が啼いたのを見た事なんて行為にいたってる時だけで、あとは一回もなかったのに。
颯斗は下を向いたまま静かに涙を流していて。
「どっどうした…っ!!」
とりあえず驚きを落ち着かせてから、俺は颯斗に声をかけた。かけた瞬間、急にあたりがバラの香りに包まれた。
「颯…斗…?」
気が付けば颯斗が俺に抱きついていて。
俺はそれに押し倒されるような形になっていて。
嗚呼、颯斗は毎回俺にこんなことされてるのか。と少し実感も出来て。
「颯斗?」
けど今そんな事はどうでもいい。
まず第一にだ。
この今俺の上に乗っている状態で啼いている颯斗をどうにかすることだ。
「颯斗。どう…した?」
「ぃ…」
「い?」
「ぃして…」
ようやく出してくれた声がまともに聞き取れず、少しの沈黙があたりを取り巻いて。

けれど。
次に続く言葉がなんとも意外で。

「会長は、僕の事、愛して…ますか?」
「え…」
「だ…って、本当に好き…か、わからない…って」
好きか分からない?
俺が颯斗を好きじゃないかもってことか?
冗談じゃない。
「好きに決まってるだろ。バカ。」
そういったとたんに颯斗の肩がビクンと跳ねた。
ソレを見て、俺は颯斗に色々不安にさせていたのかもしれないと思った。
いつだって身体だけのつながりで。
いつだって二人の時間はベッドの上で。
いつだって…―
「不安…になってたんだな。悪い。そんなつもりじゃないんだ。」
「もっともっと颯斗と繫がりたくて。」
それを聞くと颯斗はフルフルと首を横に振る。
「いい…です。僕が勝手に不安に…なってただけですから…」

フルフル振り続けられる頭は今は俺の胸の中にあった。

「もう二度と、不安にさせないよう努力するから。」

「もうそんな悲しいこというなよ。」

そう言うと、フルフル振り続けられていた頭はコクコクと頷きに変わっていて。
俺はソレがうれしくて。
たまらなくて。
抑えられなくて。
「なあ。颯斗。もう、いいか?やっても…」
ソレを聞き、頷き、あげた颯斗の顔はとても美しかった。
俺は颯斗のズボンに手をかけた。







「ん、あ、かい…ちょ、」
「名前、呼べよ。颯斗。」
「か、ずきさ…ふ、あ、あっ、」
颯斗の蜜の楽園に俺は舌を這わせる。
中を抉り取るようにして、続いて、外を。
「ひぁあ!や、だ、かず…あっあ、」
「何が嫌なんだ。颯斗。こんなにヒクついてるじゃんか。」
「や、で、ちゃうか、らぁッ!!ああっ、ふ、ああっ」
「いいよ。出しちまえ。ぶっとんじまえよ。」
俺はそう言ってから舌を抜いて、だいぶ慣らした楽園に俺自身の、興奮状態に陥っていてフルで勃っている肉棒を勢いよく突っ込んだ。
「や、あ、あああっ、ふぁ、あ、あん!あ、や、」
きつい締め付けに俺は欲を全部颯斗に放った。
それとほぼ同時に颯斗も俺に欲を放った。



「はぁっ、は、…」
汗と白濁した液が額を伝う。
俺と同じような状態である颯斗のおでこに軽く口付けを落としてから、ゆっくり、そしてしっかり抱きしめる。

「お前は俺だけのものだから。それを今ここで誓うから。愛してるから。」

「今度は世界の中心にでも言って、それを証明してやるよ。」











―――――――柳's PAGE――――――――――
なんかグダグダ申し訳ないです。
なんとかの久々更新です。
この頃色々忙しくて中々出来なかったですが。
ま、受験生なんでこれ以降の進行もいつになるか分かりませんが、長い目で見てくだされば幸いです。

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