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□ストレリチアの花嫁に祝福を。
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ストレリチア。
主に春と秋に花を咲かせる。
別名、極楽鳥花と呼ばれている。


俺を花で表すとなると、きっとこの花になるのだろうと思う。他の誰よりこの花を的確に表現し、かつ、その状態を保っていると俺は今まで思ってきた。颯斗という俺の大事な人が出来るまでは俺はズットそう思い続けてきたし、それに揺らぎなどないと思っていた。
「颯斗?」
「あ、先生。あの…、この植物の名前をご存知でしょうか?」
それが一体何になるのかは全く持って疑問だったが、俺は俺の大事な人である颯斗の持っている植物に目を向ける。そこにはオレンジ色をした、がくの部分に覆われている藍色の花を持つー…
「ストレリチア」
思わずそう言ってしまった。愛する恋人の質問に対して口をついた言葉がまさかドッペルゲンガーだとは思わなかった。驚く俺を見て、颯斗は口元に手を当て珍しいものを見たようなきょとんとした、見る人が見ればとても愛らしい仕草をした。
「へえ。そういう名前なんですか。この花は。知りませんでした。…先生はなぜ、その名前を…?」
スゥとストレリチアから俺へと視線を移した颯斗を見てると、目線をはずす事を憚れる気持ちになる。キュと自分の白衣を握って俺は、だけど、しっかりとした答えなんか恥ずかしくて言えるはずもなくて。結局、颯斗に、職務時間だと言うのにもかかわらずキスをした。
「ふっ…ン、んん。」
「ひぅ…ぁ…ぅん、ン」
10秒ほど時間が経過してもそのまま、口付けを何度もかわす。自然と体制が前のめりになり、ストレリチアを抱えた颯斗の華奢な身体を抱くように押し倒してしまった。突然の事ながら、驚く事の方が多いだろう颯斗は生理的な涙を、その柔らかそうな頬に滑らせていた。
「ぅ、ン、んん、…あ、ン」
短く喘ぐ声に酔わされ俺は、もっと深くと舌を這わす。すると痺れに襲われたのか、颯斗がビクンと肩を揺らした。
「あ…」
肩が揺れたと同時に、颯斗の手からゴロリとストレリチアが零れ落ちる。しっかりと植木鉢に入れていたストレリチアが音を立てて、俺らの傍を離れるのになぜか安堵する。斜めに傾いたが故に1回転するたびに落ちる土は、常ならば綺麗かつ清潔なる保健室を汚していく。
「せん、せぇ…あっ!」
スルスルと俺の指は颯斗の上半身を飾る赤くもう勃っている装飾を指の腹でつまむ。軽く引っ張って、つついて。それを二回ほど繰り返して。
「ン…ぁ、ふあ…」
ツゥーと落ちていく涙を嘗めるついでに颯斗の頬を食む。校内に塩分が広がる。
何故だかそれでスイッチが入ったらしく俺は厭らしく手を颯斗の白い肌を触る。
スルスルと颯斗のシャツが自然の原理を気取りながら颯斗から離れていく。
「や…、めぇ、て」
そうやって真っ赤な顔で俺に交願いを俺は聞き入れるわけもなく、尚更嫌らしく颯爽の肌を弄ぶ。触りながら顔を近付けて颯斗の顔と同じように真っ赤でピンと主張するつもりで勃っている可愛らしい装飾を口に含む。
「ひやぁ!!」
今日の身体は敏感らしく口に含んで舌で弄ぶだけで、身体がビクンと揺れる。
「や、あ、ンン!」
ひくひくと震える薔薇はストレリチアなんかよりズット綺麗で、美しかった。そう考えながら俺は颯斗の顔を見る。真っ赤で、涙で濡れている顔でさえ綺麗と思う。そして何より、その顔で「あン!」とか言われて俺はそろそろ今日で3回目となる精を放ちそうになる。
「やあ!…んん!!」
短い悲鳴のように喘ぐ声は俺の耳をじわじわと犯していく。たまらない。と俺は思って、そしたら知らず知らずのうちに颯斗のズボンのベルトに手を引っ掛けていた。その間にも溢れるばかりのキスをして、大量の唾液を飲み干し、それと同量程度の唾液が床にこぼれて落ちていく。
「ン…ふぁ、く…」
コクコク喉を鳴らせキスを堪能する颯斗の緩んだ顔を見て、すっぐに俺はズボンを下着後と脱がす。当然ながら颯斗の秘部は外気に曝される。下半身に有り得ない寒さを感じたのか颯斗は甲高い声をあげる。
「ひゃあ!」
その勢いよく跳ねる腰を押さえつけ俺は思い切り指を、その小さな陰部に突っ込む。
「ああ!」
久し振りにヤッたからか颯斗の身体は妙に敏感だ。そんないつもと違う颯斗に悪乗りして俺はもっと深くへと指を楽園へと誘う。
ゆっくりとエスコートをするのは颯斗の体内に溜め込まれた【欲望】。
「ひやあ!!やあ!!あ、う、ンン!!」
悪ノリをした指が大量の蜜の中で一回転する。上がる悲鳴に似た颯斗の啼き声によって、颯斗の中をとことんぐちゃぐちゃにしたい欲望に駆られる。
「あ、あ、ンン…」
快楽を帯びてきた声に俺の指はフザケテ何回もその場で回転させる。
「やあ!はあん!!」
気が付けば真っ赤に腫れ上がっていた陰部から大量の白濁が漏れ出す。流れる白濁胃によって洗浄された俺の指は止まる事を知らずに最奥へと、楽園へとエスコートあるままに誘われる。
「颯…斗…」
「は、あ、ン!!ああーーーー!!!」
気付けば俺のズボンのジッパーは下がりきっていて、脱げかけていた。これを期に挿れてしまおうかー…と思った。
「颯斗…我慢、出来ない…挿れるぞ…」
「え…やっやあ、やあ、琥太ろ…さん、やあ」
「ダーメ。」
「う…え…く…、」
本気で啼いている颯斗に俺はといえば、挿れる準備を万端にしていた。
散々慣らした楽園には今も大量の蜜が蓄えられている。
さあ、また俺を誘ってくれ。

身体を繋げるために颯斗の脚をガバっと広げる。未だに颯斗が啼いているが、どうしようもない。
「ひやあーーーーーーあ!!!!やあーーーーーーーー!!!」
意識が飛ぶほどに一気に挿れる。

絡みつく蜜の中で大量に逆流する熱が俺自身を取り巻く。

「颯…斗…」
くてんとして、俺に胸に寄り添うように抱きついている颯斗は結局気絶していた。


ぼんやりとした俺の目に映ったものは、倒れて保健室を汚しているストレリチアであった。

ストレリチア。
主に春と秋に花を咲かせる。
別名、極楽鳥花と呼ばれている。

花言葉ー…
全てを手に入れる
万能


そして


気取った恋。


俺はだからそう例えられてきたんだ。
「だから…お前は…さしずめストレリチアの花嫁だな。」
どちらかというと颯斗のほうが【らしい】のかもしれない。

だけどそれは気取ったでもなんでもなくて。
万能の意味で。

俺もいつか。
万能になりたいと願う。

「もしかしたら…俺はストレリチアの花嫁の方が似合っているのかもしれないな。」


はは、と嘲笑して身体を繋げたまま俺達は眠りについた。

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