続く系

□分裂ドロロン!!
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驚いた。

 ここ何日か、生徒会室で爆発音がしないと思って安心していたら何てことだ!油断していた!!
 朝早くから見たくもない煙が蔓延して生徒会室を白くさせている。その煙がだんだんと薄れていって、不運なことにこの爆発に巻き込まれた二人と巻き込んだ張本人一人を含めた三人の影が、ぼやぼやと見えてくると、俺はその巻き込んだ張本人の頭をポコッと軽く殴った。
「いてっ」
「天羽、お前今回は一体何したんだ?お前は特に何もなってないが…」
当然のことながら巻き込んだ張本人は、今頭をおさえながらニタアと嫌らしい笑いを浮かべている生徒会会計、天羽翼であった。
「あ。素足隊長だー。ぬぬぬ…二人はどうなったかなー?ぬはは♪」
俺を見て笑い、自分を見て不満そうな顔をし、まだ見ぬ不運な二人に確信的な悪戯な笑いを送った天羽は、まず二つの内の一つの影であり、先程からゲホゲホと撒き散らすようなセキをしてる声からすると、この生徒会の会長の不知火一樹にペタペタと、あろうことかボディタッチをしている。その動作にイラついたのか不知火は天羽に鉄拳制裁を与えた。
「なあに人の身体べたべた触ってんだぁ!!!翼ぁぁぁ!!!!」
「うぬん!!!痛いぞー、ぬいぬい!!!…その様子だとぬいぬいも何もないぬーん。ということは…」
殴られても尚元気でいた天羽が、いきなり声のボリュームを落とす。その様子に失敗か?と期待した俺は馬鹿だったと気付かされた。
コイツがトラブル意外に何か起こしたことは一度もなかったじゃないか。ということはつまりーーーー
「今回の実験台はそらそらだー!!!」
「何ー!!!…颯斗…」
「青空…」
ご愁傷様(さん)と俺は不知火と、本当の不幸者である青空颯斗に向けての言葉をかけた。そんなことをしている間に天羽は青空を探し、不知火と同じようにボディタッチをする。青空は気絶してるのか何も言わない。
そして確認が済んだのか、こちらを向いてにたあと笑った。
「実験成功ー♪」その嫌らしい笑いを貼り付けた顔を不知火が思い切り引っ張りながら言う。
「翼、てめえ 颯斗に何したー!!!!」
「ぬははwそんなん そらそらの身体を触ればわかるのだー!!」
そんなことをいう天羽の言葉通りに不知火はスタスタと青空の方に近寄り、その華奢な身体を触る。
しばらくたつといきなり、せわしなく動いていた手が止まり、不知火がこちらに蒼白な顔を向ける。
「せっせせ先生ー…。」
こっちこっちと手招きする不知火の顔は今にも死にそうだった。
そんな不知火を一旦どかして青空の身体に触れてみる。すると…。

「なんだ…どうした…なんだ…これは…」
状況が飲み込めずにもう一度青空の身体に触れる。そのうちにもそれは裂けて、2つに分かれていく。
「おいおいおいおいおい!!!!!!!青空が青空が青空が!!!!!!!!!」
俺はこの上なく驚いた。これが人生の中で一番の驚きになるんじゃないかと思うほど。

青空颯斗の身体が今、二体に分裂したのだ。
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