BL

□真っ白な空席
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何が違うんだろ…
目の前の席が空白なだけで
なんでこんなに寂しいかな

いつもなら…しっぽみたいに
結ばれた髪の毛をひっぱって
お菓子っ!!ってねだってるんだろうな…
休み時間になったら向かい合わせになって話して
宿題して文句いって飴を口に放られて仕方ねぇなって…
たったそんだけの事が出来ないだけで
俺…なんでこんなに泣きそうなんだろう…
今日の俺…変だ

たかが前が空席で隣が空白になっただけで
こんなに空っぽになってんだろ

ほら…いつの間にかもう、放課後になっちった
今日…昼ご飯食べてないや…
部活…出来るかな…
「丸井先輩どうしたんすか?」
「べーつに…何でもねー…」
「えぇー!!嘘だっ!!だってガム噛んでないっすよ」
…赤也の判断する基準がおかしい
「そりゃ俺だって噛まねぇ時くらいあるっての」
「その確率は仁王がガムを持ってないときかジャッカルがガムを買ってこないときだ…しかもその時の状態として怒っている…が通常である。しかし今日はガムを噛んでいないのに状態として落ち込んでいる。つまり、仁王が学校を休んだのが原因だと判断するのが正しいと見た」
うげぇ…うちの参謀ってば怖ぇ…
ってか赤也が腰に抱きついてるにも関わらず平然と
そんな分析されても反応困るっての
あーあ…どれも突っ込む気になんねぇ
俺…仁王がいないと寂しいんだなぁ
仁王が昔言ってたっけ…
ブン太がいないとおもんないって…
「あーっ!!部活する気になれねぇ、俺サボタージュって幸村に言っといて!!んじゃ」
鞄を持って勢いよく部室を出た
だってこのままじゃ…
「はは…変なの、涙…流してる」走りながら涙が頬を伝う
あーあ…女々しいじゃん俺
仁王が休んだのは風邪で俺には
どうしようない事で
なのに…こんな時まで俺…
「仁王に会いたい」
我が儘しか出ない
会いたいって…そんな我が儘しか浮かばない
素直とか仁王に向かってするの釈だから
いっつも我が儘いって見栄張って…
こんな時まで我が儘言って
呆れられるかな…嫌われるかな

ヴー…ヴー…

俺の考えを遮断するみたいに
携帯がバイブ音を発した
誰だよ、こんな時にっ!!
携帯を見る気になれなくて
そのままにした
でもバイブ音は一向に止む気配がなくて
電話だというのに気付く
「…もしもし」
鼻声になりかけの声で電話に出た
画面も何も見ずに…
『もしもし…ブン太?』
「っ!!…にお…」
『なんちゅう声しとるん…』
むしろ何でお前が電話かけてきてんだよ
『なぁ…ブン「仁王っ!!」
仁王の言葉と被った…けど今はどうでもいい
とにかく言いたい
我が儘だけど断られるかもだけど
でも…
「会いたい…」

『知っとる』
「!!?」
なんで知ってんだよ
今始めて言ったに…おかしいだろっ
『俺もブン太に会いたくなって電話した…多分ブン太も同じ事おもっとる思って…』
「……ばーか、ホントばーか」
なんで同じ事考えてんだよ…
なんでこんなタイミングいいんだよ
なんで…
「仁王は俺が欲しいもん簡単にくれるんだよ」
『そんなん愛しとるけんにきまっとるぜよ』
あーあ…なんか涙ひいちった…
もうなんでもいいや
「恥ずかしい奴…いいか、今から仁王ん家行くから待ってろよっ!!」
いつの間にか戻ったテンションで仁王に言う
明日部活…幸村に怒られたら仁王の所為にしてやろう
んで、一緒に怒られよう…
今はそれすら楽しいから




end......





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