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□秘密のお口
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日吉はキスをする時に口を開けない。
いや、普通なんだが…。
俺としては口を開けてくれると有難い。
「嫌です。」
「いいから開けろ。」
「キスをしてるだけで我慢してください。」
さて、こんな話を何回繰り返しただろうか。
かれこれ30分はやっている。
断固として口を開けない日吉。
さっさと素直になれば早いものを。
「じゃあ、舌出せ。」
「割り込みするじゃないですか。嫌ですよ。」
勘が鋭いなんて知らない。
単に素直じゃないだけ。
ならば強行突破と言う名の実力行使に出るしかない!!
「覚悟、日吉。」
「は、ちょ、〜―っ!!!!!?」
無理矢理唇を重ねると日吉の唇に割り込むみたいに舌を入れる。
日吉の身体がビクンと反応したなんてお構いなしだ。
唇を割って入っても断固として開かない日吉の口。
仕方なく日吉の歯茎を舌で舐めた。
こうすれば開くだろうと思って。
「ひぃあ!!」
日吉の口からなんとも可愛らしい声が漏れたかと思うと微かに口が開いた。
もちろん俺がそんな大切な瞬間を見落とす訳はない。
その微かな隙間を舌で割り開きようは念願の口。
容赦なんてしてやらない。
拒否した罰。
そう思って日吉の口腔を舐める。
舌を絡めたり、歯列をなぞったり。
そう、なぞったりしているときだった。
舌に当たる歯列から逸れた歯。
そこに舌を這わせると日吉の啼き声は甘く大きくなった。
「っは…日吉、お前もしかして。八重歯が気になってキスの時に口開けられなかったなんて言わねぇよな。」
「はぁ、はぁ。も、やぁ。」
顔を隠すように手で覆う。
なんだこの可愛い動物。
制服を剥ぎ取りたい気分だ。
「可愛い奴。んなもん気にしてんなよ。」
「最っ低!!も、ふざ、けんなっ。」
耳まで真っ赤にしながら相変わらずの憎まれ口を叩く。
「いいじゃねぇか。好きだぜ?お前のそういうの。」
わざと耳元で囁くように言う。
日吉は身体をビクッと震わせた。
緩んだ手を片方取るとテニス部員とは思えないほど綺麗な指先に舌を這わせた。
生暖かい感触に一瞬手を引こうとした日吉の肩を抱くように密着して。
どこもかしこも敏感になってしまった日吉にとっては指先も俺にかかれば性感帯でしかない。
「あ、ぁ…もぅ…んぅ、だ…め。」
「だめ?嘘つくなよ。」
「ひぁ!…ほん、と…に。」
涙目になりながら容赦のない俺を見つめる日吉。
「日吉、ひーよし。そんなに駄目なら止めるか?」
「聞く、な!」
八重歯なんて気にすることでもないのに気にしてみたり、素直になれずに反対を言ってみたり。
可愛い奴。
どうもこうも日吉は愛おしい。





end...










あとがき
最近話が裏っぽいですorz
お、おかしいな(笑)
純愛だって青春だって大切ですからね。
日吉くんのためにも少し控えるべ(笑)


2011/5/20/日向.

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