BL

□last
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『多分、明日がラストだ。』
昨日、そう言われた。


つまり3年生と一緒にしていた部活が今日で終わる。
目標の人との部活も…今日で最後。
今まで積み上げてきた物全部、今日で崩れてしまうんだ。
そんなふざけた話が今日なんて、早すぎる。
「勝手すぎる。」
俺はそう言いながら最後の部活をサボっている。
次期部長だが、今はそんなこと気にもならない。
それだけ、ショックは大きい。
学校の屋上なんてほとんど来たことはない。
けれどこんな時ばかりは何故か屋上を懐かしく感じてしまう。
フェンスにすがり、広すぎる空を眺める。
どうしようもない気持ちが溢れ、それは俺の中で涙に変わった。
繋がりが…消える。
俺と跡部さんとの唯一の繋がり。
部活という…たった1つの繋がり。
それが今は惜しい。
あれだけ嫌いだと、文句ばかり言っていたのに。
繋がりが消えるとわかっていたのに。
さみしいがどれだく辛いかわかっていたのに。

ナニヲシテイタンダ

頬を伝う涙はもう、止まることを忘れた。
言葉にもならない声はそれは弱々しく掠れていた。

鳳に宍戸さんが部活を引退しても繋がりが切れないのか?と聞いた時、アイツは笑って
「切れないよ?ダブルスのパートナーだから…また、組むから。それに大好きだしね。」
…と何処か寂しげにそう言っていた。

でも、俺と跡部さんは?
ダブルスのパートナーでもなんでもない。
好きだけど…だけど…
俺は素直になれないから。
「あ、とべ…け…ご。」
小さく切れ切れに跡部さんの名前を呼んだ。
出会った時は嫌いで仕方なかったのに…いつからこんなに好きになっていたんだろう。
あの人はそれを知らない。




伝わらない、この思い。

バレたくないとずっとしまい込んでいた思いが今はバレてしまえと思う。





大好きです、跡部さん。




ずっと大好きでした。






今日はどうか泣かせてほしい。


全てを流させてほしい。





そしたら明日、最後のお叱りを受けますから。







end.










あとがき
初の片想い話でした。
日吉君の一途な片想い。
日吉君を泣かせたかっただけです←
シリアスは書いていてこっちが悲しくなります(´・ω・)
でもたまにはこんなのもいいですね。

2011/4/9/日向.

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