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□おれのもの
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それは突然やってきた。
授業の体育の時間に俺は体操服を忘れたのだ。
後10分もしたら授業が始まってしまうのに部室へジャージを取りに行くなんてしてられない。
「ちっ、鳳に借りに行くか。」
仕方なく同じ2年生の鳳に借りに行くことにした。
多分3年生の知り合いに借りたら長くなる。
遅刻でもしたらあの面倒くさい先生に長々と説教されなければいけない。
そんなもの、絶対お断わりだ。

「鳳、いるか?」
教室の近くにいた女子に声をかける。
するとキャーキャー言いながら「鳳君なら、さっき3年生のところへ行ってたよ〜?」と返してきた。
都合がいい時にいない奴だ。
ちっ、と舌打ちをすると目の前の女子は驚いて教室に戻ってしまった。
「あれ、日吉じゃん。何してんだよ!お前等、次の授業体育だろぉ?」
後ろから声をかけてきたのは鳳と同じクラスの奴。
「丁度いいや。お前、体操服持ってないか?…忘れて。」
「ん、あるよ!ちょっと待ってろよ。」
俺は体操服を鳳以外の奴に借りたことをこの後ものすごく後悔した。
体操服を借りただけであんな事になったんだから。
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