Original Story
□はじまりはここから〜ep2〜
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今日は入学式です。
真新しい制服に身を包み、いよいよ高校生です!
「よし。ばっちし」
髪は跳ねてないし、リボンも曲がってないし…
大丈夫かな?
鏡の前で考えていると、「似合うじゃない。あかりももう高校生かぁ…。」とお母さんがポツリと言った。
うん。高校生なんだよなぁ。
おじいちゃん、おばあちゃん。私はこんなに大きくなりました。これからも見守っててね。
―入学式―
私は人の話を大概聞いてない。だから、こういう話…校長先生の話とか来賓の話とかは本当につらくてしかたがない。寝たくなくても寝ちゃうしね(笑)
前に座ってる子とかすごくフラフラしてるし…
これバレんじゃね?
ってか、バレてんじゃね?
と、一人悶々としていたらツンツンと制服の袖をつつかれた。
「ここの校長先生、話長いって有名なんだって。」
その子はにっこり話かけてくれた。
ん?話かけて…話しかけられた?!
「宮坂千尋。」
「えっ?」
「あたしの名前。」
ほぉ。千尋ちゃんって言うのかぁ。可愛い名前だな。
「名前は?」
「木内あかり…です。よろしくお願いします。」
言…言えた。言えたよー!
「“あかり”って呼んでもいい?」
うぉー!!人生初の名前呼び!!う…うれしいなぁ。
「もちろんです!」
こうして高校生活の幕をあげたのでした。
「あかり。」
「うん?」
「よろしくね♪」
「こちらこそ!」
「はい、まず敬語なし!」
「…マジ?」