二次小説

□ただ、ありがとう
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―ただ、ありがとうと伝えたくて。―


「どうして…ここにいるんですか?」

仕事を終え帰り支度をし、寒い冬空の下に出てみれば。

目の前には、愛しい貴方。

「迎えに来た。」

「心配だったんですか?私のこと。」

あっ。また言ってしまった。こういう素直じゃないところがダメなんだよなぁ。

「うん。」

あら。今日はやけに素直じゃない?って思っていたら、いつのまにか私は貴方の腕の中。

貴方の身体はとても冷えていて。

「銀さん、ごめんなさい。」
「なにが?」
「身体。とっても冷えてる。寒かったでしょう?」

貴方の頬に両手をあてれば、ほらね?冷たい。

「俺が好きで待ってただけだから平気。」
「でも……。」
「そこまで言うなら、布団の中でじっくり暖めてくれますか、お妙さん?」
「なっ!!」
「冗談。お前に会いたかったんだよ。」

そう言われたのと同時に、ギュッと強く、でも優しく抱きしめられた。


あぁ。私、今とっても幸せ。
愛しい人に、大切な人に抱きしめられている。

ついさっきまで冷たかった貴方の身体は、あたたかい。

「今日は甘えたさんなのね。」
「たまにはいいだろ?」
「そうね。」

そして―
どちらからともなく、口づけた。


嬉しかったの。貴方が迎えにきてくれて。


ありがとう
「なんか言ったか?」

今はまだ、ちゃんと上手く伝えられないけど。

「いいえ。空耳じゃないですか?」

いつか、ちゃんと伝えますね。


ありがとう。
貴方と出会えて。

私は貴方のおかげで、毎日幸せです。




END
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