二次小説

□桜並木
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穏やかな風が舞い、桜が咲き乱れている。

「なぁ…。」
「なんですか?銀さん。」

名前を呼ばずともちゃんと答えてくれるのは、こいつだけ。

「桜、綺麗だな。」
「そうですねぇ。」

桜並木のある河川敷を二人肩を並べて歩く。

「今度来るときは、新ちゃんと神楽ちゃんも連れてきましょう?」

「あぁ。」




―本当は二人きりがいい―

なんて、子供じみた我が儘、素直になんか言えねぇけど。


「銀さん。」
「ん?」
「知ってますか?」
「何を?」
「舞い落ちてくる桜の花びらをつかめたら、幸せになれるんですって。」


手を伸ばして、そっと“それ”をつかむ。

「わぁ!銀さんすごい!」

「ほら、やるよ。」

そう言った瞬間、お前がきれいに笑うから。

「ありがとうございます!」

反則だろ?その顔。

「ずっと大事にしますね。」

その言葉も反則。

だから、せめてもの、俺の反撃。


「じゃあ、俺は。」
「?」


「妙をずっと大事にする。」

そう言って、ギュッと抱きしめた。



「銀さん、反則です。」



「返事は?」
「…わかってるくせに。」
「銀さんバカだから、言ってくんなきゃ分かんねぇなぁ。」
「もう!……ふつつかな娘ですがよろしくお願いします。」
「嫌だっつっても、離さねぇから。」

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