二次小説
□照れ屋なキミへ
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見るなと言われれば、見たくなってしまうものである。
一人素振りに打ち込んでいる十四郎さん。
この間、見るなと言われたけど。
見えてしまうのだから仕方がない。
シュッ、シュッと音がする。
夕日に照らされている十四郎さんは、いつもと少し違って見えて。
―ドキン。
胸が高鳴る。
「ミツバ。いるんだろう?」
あら?ばれてる。
十四郎さんは何でも分かってしまうのね。
私の気持ちには気づいてくれないくせに。
「はい。」
手拭いを渡す。
「ちゃんと汗、ふいてくださいね。風邪ひいてしまいます。」
「お、おう。」
夕日のせいかしら。
貴方の顔が少し赤らんで見える。
ねぇ。自惚れてもいいかしら。
「ミツバ!」
「なぁに?十四郎さん。」
「あ、ありがとう。」
なんだか、私も照れてるのかしら。
「どういたしまして。」
照れ屋なキミへ
「ミ、ミツバの匂い…」
「十四郎さん?」
「なっ、なんでもない!!」
「?」