二次小説

□正直日和
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「なぁ、お妙。」
「なんですか?銀さん。」

日向ぼっこには最適なこの縁側。


「あったけぇな、春って。」
「えぇ。」


のんびりとしたこの時間を大好きな人と過ごす幸せ。
“ずっと春ならいいのに”と思う。

そしたら、ずっとずっと、貴方が側にいてくれるような気がして。


―ストンっ

貴方が私の膝に倒れる。


「こんなにあたたかいと眠くなりますね。」
「あぁ。」

素っ気ない返事。

でも、どこか優しい返事。

「ずっと春だといいな。」
そんなこと言うから、期待してしまう。

「あら、どうして?」

私と同じなんじゃないかって。

「……妙の側にずっといられそうだから。」

そんなこと言わないで。

この先、一緒にいられなくなるみたいじゃない。

そんなの嫌よ。



でも、貴方のことだから。
“行ってくる”なんて言わずに行ってしまう。


そして、全身傷だらけで帰ってくるの。


私は貴方を見守るだけ。
信じるだけ。

そうして、この家で待っている。


「妙?」
「なぁに?銀さん。」




「好きだ。」

ねぇ、銀さん。

「知ってます。」

私は、その言葉一つで。

「じゃぁ、妙は?」

心が満たされるんですよ。

知ってました?
きっと貴方のことだから、知らないでしょうね。


「好きですよ、私も。銀さんのこと。」
「そっか。」
「えぇ。」


あたたかい春の日。

たまには、正直に。


正直日和


「妙。」
「なんですか?」
「キスしていい?」
「なっ!何言ってるんですか!」
「あれぇ〜?お妙ちゃん恥ずかしいの?」
「ち…違いますよ!馬鹿!」
「恥ずかしがっちゃって。」

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