**短 篇 集**

□*…愛だったかも知れない…*
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今は…平和だから…
時折、あの出来事が夢に思えるんだ。



僕の犯した罪。




愛だったかも知れない





僕は、20歳を迎えていた。
自分でも驚く位、老けた気がする。
きっと…原因はあの出来事に違いないけど。


『キラぁ?』

今にも思い出せる。
その感覚は、触れなくても解ってる。
懐かしく、苦かった青春時代…
僕の手は、血に汚れていた。





何人殺せば良い?
何人絶望を見せれば良い?
何人悲しませれば良い?

あと何人?



僕は本当に、人を救えたのかな?
そんな大それた事した覚えは無いけど…
血に塗れた僕は…
今の世の英雄なんだ。



約束すら…守れなかった僕なのに、可笑しな話だよね?



そうだな…
今の僕を、あの時の君が見たら…どう思うんだろ?
きっと笑う?
それとも怒る?

どんな姿も…今は、見ることが出来ないよ。





怖かった。
偽りでも、僕は良かった。
君を失う事で、生きる意味すら解らなくなるから…
でも、僕は《今》に残ってしまった。

ゴメンね?
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