**短 篇 集**
□* 運命ノ輪 * 前編
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甘くけだるい吐息が室内に響く
甘美な声と共に軋むベットの音
『アッ…アァッ キッ…ッ』
「ラクッ… ゥッ…」
互いの鼓動が高鳴り刹那の時が過ぎるとヒシッと抱き締めあい落ち着くのを待つ
その時部屋に通信のコールが響く
キラは、手を伸ばし音声のスイッチを入れる
「…はい…」
“お時間の30分前になりますが、ご延長の方は?”
「結構です…」
“かしこまりました”
一方的に通信が切られると、キラは上体を起こし相手との繋がりを解く
「ラクス、時間だって? シャワー浴びてきたら?」
『キラは…?』
「一人で入るよ」
『わかりましたわ…ではお先に失礼します』
側に落ちていたタオルで躯を隠すとそのまま浴室へと消えていった
HOTELを後にする二人は、何処か静かで、互いに無言のまま家へと帰って行った
『お帰りなさい、キラ、ラクスさん』
カリダの出迎えに無表情だった顔に笑みが浮かぶ
「ただいま、母さん」
『デート楽しかった?』
『えぇとても…お義母様、ありがとうございました』
いつの間にか、二人は周りからも公認される恋人になっていた