**頂 き 物**
□†平和なある1日のお話†
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ヘリオポリスの工業カレッジ
緑滴るキャンパスで
1学年下のフレイを見掛けたミリアリアはフレイを呼び止めた。
「 あ!ミリィ… 」
いつもの如く…
この1学年下のフレイの周りには御金持ちの御友達がわんさかいた…。
本当は…この集団が苦手でいつもはフレイに挨拶を交わす程度で通り過ぎるミリアリア…。
しかし…
今日のミリアリアは違っていた。
「 ちょっと!フレイ! 」
フレイが手招きされて行って見ればいきなり…
「 フレイ!サイと婚約したって…本当なの!?サイから聞いたわよ!?」
と、フレイはミリアリアに腕を掴まれ至近距離で問い詰められた。
「 …なっ…何?一体…」
いつもは気の強いフレイも、今日のミリィの迫力に圧倒されながら…やっとの思いで口を開いた。
「 何で?」
「 …は?」
「 何で婚約したのっ!?」
「 ……何でって…… 」
何で…?
何で…
………。
「 …サイは優しいし…頭もいいし… 」
「 それだけ!?」
「 ---幼馴染みだしっ---パパのお気に入りだしっ!!! 」
「 …で?」
「 それに? 」
「 ……何なの…もぉ… 」
「 フレイの気持ちは…?あんたはサイの事を好きなの?」
「 …好きよ…優しいもの…。」
「 ふ〜ん…。じゃあ恋してるのね?」
「 …恋…?」
「 そうよ?そうね…例えば気がつけばその人の姿を探してたり…その人の姿をいつも目で追ったり…目が合うだけでドキドキしたり…とにかくその人に会えただけで一日幸せな気分になれたり…どう?サイに対してそんな気持ちがあるの?」
恋…?
「 …サイはどうかしら。フレイに対してそんな気持ち…あるのかしらね…?…あんた達見てるとそうは見えないんだけどな…。ん〜…まるで兄妹…みたいにしか私には見えないわね。」
「 ……ミリィ…何が言いたいの?」
「 フレイ…。婚約って意味解ってるの?いずれ結婚するって事でしょ?」
「 …その位解ってるわよ!それに!私とサイはまだ婚約が正式に決まった訳じゃないもの!パパが勝手にそう望んでサイに言ってるだけよ!」