§別館書庫§

□テロリストからすれば、自分が正義
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船内に比べて冷える夜風にあたりながら、土方は一服して頭を冷やした。



「カッとしすぎたな…」



"一度謝って話しなおすか"と心の中で呟いた土方は、船内へ戻る為の扉に手をかけた。



ガチャガチャ…



「…マジかよ」



いつの間にか閉められた扉の鍵。

土方は溜め息をついて、もう一本煙草を口に咥えて携帯を取り出し河上に扉の鍵を開けてもらう為、発信ボタンを押そうとすると…



「本当に行っちまうのか?」



扉の向こう側から声が聞こえた。

恐らく鍵を閉めたのもコイツだろう…と察しながら、土方はその問いに答える。



「んなワケねーだろ」

「お前が穏健派なのは知ってる。だったらさっさとヅラの所に…」

「あんなややこしい生き物連れてる変人の下で攘夷活動する気になんねーよ。それにお前がもう少しやり方を考えりゃ良い
だけの話だ。とにかく、さっさとここ開けろ」

「…」



カチャ…



鍵の開く音に、そっと扉を開ける土方。

扉の向こう側で、親に怒られた幼子のような顔している高杉を愛らしいと思いながら笑みを浮かべる土方は、その頭をポンポン
と撫でた。
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