§書庫§

□食べたい時は我慢せずに食え
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「てめぇ、食い逃げなんて恥ずかしい事しやがって・・・んな事で俺の仕事の邪魔しやがって(怒)」


桂を見かけたという情報に、俺は隊士と共に歌舞伎町に見回りに来ていた。
その時、連絡が入った。

"食い逃げの男がいるらしいんでさァ。土方さん今歌舞伎町だろィ?ちょいと行って来てくだせぇ"

総悟が一方的に言い放ち、俺達は渋々その食い逃げをとっつかまえに来たわけだが・・・
そこに居たのは見慣れた銀髪。ヤツは必死に弁解を始めた。



「違うんだって!ジャンプ買うだけのつもりでコンビニ行ったら売り切れててよ、んでムカツくから、
糖分とろうと思ってファミレス入ってパフェ食って・・・金払おうと思ったら、250円しか持ってねーの。
そしたら店員がさぁ?"食い逃げだー、警察呼べー"って騒ぎやがってよぉ・・・参っちゃうわ、本当。」

「完全にお前が悪いだろ(怒)」



平然と話す銀時に、俺はいい加減呆れた。
いつもなら金を払ってやるところだが、甘やかしたら、ますますコイツが甘えた野郎になっちまう。

「鬼の副長ともあろう俺が、権力利用して恋人の罪を見逃しちまったら、隊士たちにも示しがつかねぇ・・・」

「待て待て、土方くんッ!心の声の後半、全部喋っちゃってるよっ全部銀さんに聞こえてるの気づいてる!?」

「なら話は早ぇ。つーわけだ、食い逃げ現行犯で逮捕だ。屯所まで来てもらおうか」


慌てている銀時をパトカーまで連行する。



「ひでー、こんな扱い。愛しい恋人にこんな事しやがってー。十四郎の鬼畜ッ!!」

「だぁれが"愛しい恋人"だ。大体鬼畜はテメェの方だろ(怒)」



ブツブツ独り言を言いながら、ふて腐れている銀時をパトカーの後部座席に押し込み、屯所へ向かおうとしたが、
パトカーに乗っているはずの原田の姿が見当たらねぇ。

俺がキョロキョロしていると、銀時が俺に話しかけてきた。



「なあ、十四郎。前見ろ、前」
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