§書庫§

□1日の始まりは朝ごはんから
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朝、8:30頃。真選組屯所内 食堂。



「あれ?こんな時間だってのに、トシの姿が見えんな。アイツ非番だったか?」



近藤が、食堂で食事をしながら呟いた。



「いえ、今日は確か仕事のはずですよ」



山崎は、食べた食器を返却口に持っていこうとしながら、近藤の言葉に返事をする。



「おはようございまさァ・・・」

「!?」



食堂に現れたのは、土方ではなく沖田。
近藤は、目を丸くして驚く。



「総悟がマジメに起きて来るなんてな・・・珍しい事もあるもんだ」

「あれ・・・?沖田隊長、今日非番じゃなかったでしたっけ?」



山崎もまた、不思議そうに口を開く。



「土方さんと交わってやったんでさァ。今頃、まだ寝てやすぜ」





――数時間前。

土方が再び寝入った頃、沖田は目を覚ましていた。



「こんな時ぐれぇしか、"好きだ"と言ってくれないんですねィ、土方さん。
たまには顔に見て、素直に"好きだ"と言わせてェもんでさァ・・・」



沖田は一人呟く。

それに答えるかのように、土方は無意識に沖田に擦り寄って寝息をたてていた。



「全く・・・本当に殺(や)りてーぐらい好きになっちまった・・・どうしてくれんでさァ、土方コノヤロー」





この日ばかりは、
鬼の副長・土方も、床から起き上がることは無かった。

甘い余韻に浸るかのように・・・・・・




【終】
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