§書庫 参§
□八方美人は嫌われる
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何をするにも困っちゃいねェ。
あの頃からそうだった。俺は欲しいものは全てこの手にしてきた。
ただ、"奴"だけは、手にすることができない…
攘夷戦争。
それがあったのは、まだ近い過去の話。
だが、経験者である者たちからすれば、まだまだ記憶に新しい出来事だった。
ある者は、江戸を守る為。
ある者は、正義の為。
ある者は、己自身の為。
ある者は、愛しい人の為。
目的は違えど、集結した攘夷志士四人。
坂本辰馬
桂小太郎
坂田銀時
高杉晋助
江戸を侵略すべく宇宙から現れた天人たち。
その者たちと始まった戦争。ひと際目立ち、活躍したのが、白夜叉の異名を持つ銀時だった。
銀時同様、刀の腕も申し分ない上に、その端麗な容姿で過激派の鬼兵隊率いる筆頭・高杉。
彼もまた、戦場では見事な活躍ぶりだった。
だが、難点が一つ。
"自由奔放"
高杉は己の感情に素直で、欲しいモノはなんであろうと、構わず手を出した。
食欲、物欲、性欲。…あらゆる欲望に従順で、たとえそれが敵であろうと、味方であろうと構うことはなかった。