§書庫 弐§
□××本を見ない男はいない
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月明かりが眩しい夜更け。
俺は寝苦しさに目を覚ました。
「土方、今頃何してんのかな…さすがに寝てるか。いや、夜勤って可能性もあんのか」
万事屋を出て、玄関のところからまん丸な月を見上げる。
「綺麗だ」
もしも隣に土方が居たら…
きっと月を見上げる土方に魅入っていたに違いない。
月明かりに照らされる白い肌とか、キラキラ光る唇とか…
想像しただけでもう…たまんねッ!
…
いかんいかん、近頃会ってねぇから欲求不満でついつい思考がエロい方向に…
ムラムラする心を静めるために再び月を見上げる。
ハッキリと見える兎(うさぎ)の影。餅をついているところまで綺麗に見えて…
餅ついてる?
突いてる…?
あれ…なんかちょっと角度変えて見たら、立ちバックしてるように見えなくね?
だーもうッ!!
止まらん、妄想が止まらん!!頭沸いてるだろ俺ッ!!!
しかも相手側が全部俺ビジョンのフィルターかかった美しすぎる土方って、もはや溺愛してんじゃねーかッ!!
もはや女モンのエロ本に興味が持てないのは俺がホモだからじゃねーぞ?!
全部土方のせいだッ!!
―――。
あー…でもきっと兎の耳とかつけても可愛いんだろうな。土方は。
いや、やっぱ俺の好みでいうと猫耳の方が…
んで、土方を―――して、――を―――して、それを――で――――だ。んでもって――(以下略)
そう、男は狼なのよ。
男自身も気をつけなさいよ?!
俺が変態だとか、性癖の問題じゃねーんだよ。
はぁ…今度はいつ会えんのかな、土方。
俺は想像の中のお前と、ヤっちまう方が回数増えちまいそうだよ。
【終】