§書庫 弐§
□ピンチはチャンス。んなモン都合良い時だけの言葉だ
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「働かせてくれだぁ?」
「頼む!一生のお願い!!雑用係でもメイドでも欲求処理でも何でもするから!お願いしますよぉ、鬼の副長様」
「おい、後半の一言が気持ち悪ぃんだよ!!何なんだよ、いきなり来て…寝言は寝て言え」
万事屋に依頼が来なくなって早一ヶ月。
電気が止まって一週間。明日には水道も止まるだろう…
こんな非常事態、神楽や俺に耐えられるわけもなく、あちこちに頼みまわってる最中、俺は思いついた。
せめて、飯だけでも調達できて、俺得なやつに雇ってもらえたら…
そう考えた瞬間、真っ先に思い出したのが土方だった。
何せ俺は土方に絶賛片思い中。
土方に少しでも近づきたくて、側に居たくて…
そんな俺を、人間じゃないものを見るような目で見下ろされている。
く、悔しい…けど、その蔑(さげす)んだ眼さえも愛しく感じるのは、相当コイツに落ちている証拠。
「…まぁ良い。今、夏風邪が流行っててな、人手不足で丁度お前に猫の手にでもなってもらおうと思ってたところだ」
神様、仏様、ご先祖様、給料入ったら真っ先に甘いお菓子をお供えします、ありがとう。
…まぁ、菓子はあとで俺がいただくんだけどね。