§書庫 弐§
□週刊と赤丸の違いに気をつけて
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たまに寄るコンビニで、万事屋が働きだした。
どういう経緯かは知らんが、気付けば俺は万事屋の顔見たさに、このコンビニに通うようになっていた。
けして声をかけるコトも気付かれることもないように…
けど、こんだけ通ってりゃ、奴も気付いてるかもしれねェ…
そんなことを考えながら、また来てしまった人気のない明け方の店。
正味店の中には、俺と万事屋しか居ない。二人きりだってのに…何してんだ俺は。
ふと背中に感じた視線に振り向くと、視線がぶつかった。
(バレたッ)
俺は慌てて、無意味に手にしていたジャンプを元の場所に戻してその場から立ち去ろうとした。
…が。
「お客さん、たまには何か買って行ってよ」
手を掴まれ、店から出られなくなった。
久しく触れた手に戸惑う…
万事屋が、もうすぐ仕事終わりで俺に待っていて欲しいと必死で頭下げるもんだから、大人しく待ってやることにした。万事屋で…
ただ待つのも暇だろうと思った俺は、ジャンプ片手にコンビニを後にした。
バレてねーよな。俺が今照れてしまった顔…