§書庫 弐§

□鐘鳴らして煩悩が消えるなら、皆無欲になっちゃうよね
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ズルズルー



べチャべチャー



「おいおい、お前それ絶対蕎麦食べる音じゃねェって」

「うるへーな、黙って食え」



時は大晦日、22時3分。万事屋。

蕎麦をすする銀時の横で、犬の餌状態になってしまった十四郎の蕎麦。

無論、見た目がおかしい。その上で、この食す音…

マヨネーズで変わり果てた姿になった蕎麦を、銀時は哀れな目で見つめながら己の蕎麦をすする。

そんな二人が全く見ていないTVに映っているのは、大晦日では恒例であろう紅白。

紅白に全く興味のない銀時は、蕎麦を食べ終わるなり、年末大掃除等の依頼が多く、仕事におわれて読みそびれて溜め込んでいた
ジャンプを開く。

十四郎もまた、蕎麦…であった犬の餌を食べ終えると、ぼんやりとTVに視線を向けた。



せっかく二人きりだというのに、色気がない。

十四郎は、日頃の仕事からくるであろう疲労に、眠いのであろう。

銀時はと言うと…

今の状況ではなく、この後来るであろう展開に、既に不機嫌なのだ。
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