第01章

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事故死って、怖い。
テレビとかでよく事故死がどうのこうのって
話をよく聞く。でも所詮他人事。自分は事故
なんかに遭わないってそう思ってる人も居る
だろう。少なくとも私は、そう思っていた。

本を片手にブラブラと街を徘徊しながら時折
ガラスショーウィンドウに目をやる。今日も
報道されてる内容は昨日と変わらず、事故死
やら自殺だののニュース。最近では事故死の
ニュースしか取り上げない所もあるとかで。
何でも、事故に遭った人間が消失したりして
るのをニュースでみた事がある。そんな話を
見ながら、ボンヤリと自分は事故に遭わない
だろうと考える。せいぜい事故に遭っても、
消失は勘弁だ。なんて考えながら本を読む。
歩きながら読むのは危険だと分かってるのに
止められない。これも文学少女の天性。その
天性をねじ曲げてでも直していれば良かった
のだろうか。信号を渡ろうと横断歩道に足を
一歩踏み出した途端、身体が光に包まれた。


目を開けばそこは知らない部屋の一室。見た
ことのない部屋には家具すら無い。ただ一つ
家具らしき物があるとすれば、あの黒い球体
だろうか。ただ、あれは家具と言うには少し
ばかり可笑しい。触れても何の害も無い。

『……な、にこれ…』

そして始まる。残酷闘いが。



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