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□泣き虫毛虫
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先日のスイーツ対決が終わってから三日後。
教室前にて。

「…ッなんでお前がここにいるんだよ…ッ!?」

私を見つけてから、がんばって威嚇するようにこっちを睨んでいるレヴィ君。
だけど、軽く涙目でちょっと恐怖が滲んでるので全然怖くないっていうか、むしろ可愛い。

「なんでーってそりゃ愛しの愛しのレヴィ君がどうも新しいお店。えっとレヴィエンジェル(笑)?を開くためにこっちの学校に転校してきたって聞いたから、心配になっちゃって飛んできちゃったんだもんねー。」

「(笑)!?」

半ば絶叫に近い風にして叫ぶレヴィ君。
ヤバい。おもしろすぎて笑いが堪えられない。
ついでに言っとくと嘘じゃないよ。私もともとここの生徒だし。

「もう久しぶりの再会なんだから、もうちょーっと喜んでくれてもいいんじゃないかな!淋しかったよー!玩具じゃなくて遊び相手がなかなか見つからなくて!」

「おい今絶対玩具って言っただろッ!もうお前の言うことは聞かないし信じないって決めたからなってうわぁぁあああ引っ付くなって言っただろ!!」

「そんな昔のこと忘れた忘れた忘れたー!」

「うに゛ゃッ―――――!!」

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「っつーかあそこまで自然体っつーか必死なモジャ毛フェミ男初めて見たぞ俺…」

私のことを珍しいものでも見るように言う森崎君。
レヴィ君はついさっきSPの手によって私の手から救われた。ただいま逃走中。

「まぁ一応古い付き合いだからね。昔から仕込んであるし。」

「仕込んである!?」

「そうそう、前は泣き虫…いや今も泣き虫なんだろうけど、それでも私の前では強がってようって頑張ってたり兄貴振ろうってしてたり…。
いやぁ可愛かった可愛かった。」

振り返る過去。思い返せば騙されて泣きぐずるレヴィ君に、溺れて泣きぐずるレヴィ君に、石につまづいて泣きぐずるレヴィ君に、虫に驚いて泣きぐずるレヴィ君。

「…。」

「ん?森崎君なんでそんな悲しそうな顔をしてるの。」

「いやなんか不憫だなと思って…。」

「不憫?楽しかったけど?」

「お前じゃねぇよ。」

げんなりとオトマトぺを背負いながら山崎君。
んんん?とかなんとか思考に入ろうとしたところで。

「あ、奏ちゃん。レヴィくんが屋上の方にいたよ!」

「おぉお!ナイス情報ありがとう!!
ってーわけで行ってきます森崎君!!!!」

Bダッシュッッッッッ!
待ってろレヴィ君!



「…っつーかお前がモジャ男のこと一番好きなんじゃねぇかよ…」



 

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