私の恋人は、マスクに赤髪が特徴の人です。同い年で、物静かで髪が綺麗(とても重要)と、私のタイプにぴったりです。 食専でも似たような感じらしいですが、守屋くんをミイラにしようとしたりしていたそうで。ちなみに諦めてはいないようです。 本当のことを教えたいところですが、説明しにくいですし。 まあどのような評価を受けているのであれ、私が京を好きなことに変わりありません。 私に優しくて、どんな私でも受け止めてくれて、「奏」を見てくれる。これ以上幸せなことがあるでしょうか? 私は今食専にいます。正直行くとじろじろ見られてうっとうしいんですが、どうにかして隠れば何ということありません。 何人か見たことのある方を見かけましたが、話しかけないでおきました。この間森崎さんに話しかけたら京が怒ったので。 ぼうっとしながら京が出てくるのを待ちます。 こちらの門でいいはずなんですが、一向に来ません。もう帰ってしまったんでしょうか。 「・・・・・・奏」 「あ、京」 そんなことを考えていると京がやってきました。手をポケットに突っ込んで、どこか不思議そうに私を見ています。 「どうしたの?」 「今日は早く終わったので・・・京の家に行こうかと」 実は店の人たちが変わってくれたんですが・・・。本当親切な人たちです。 「・・・そう。行こうか」 ポケットに入れていた右手を出し、私の左手を握りました。京の手は少し冷たいですが私にとっては温かく感じます。 普通の人にはこんなことしないでしょうから。何だか優越感。 「今日は泊まってくの?」 「あ、いえ。設楽さんもいるでしょうし、迷惑になりますから」 「俺はいいけど。奏、泊まってけば」 「・・・・・・設楽さんの存在無視してませんか?」 何だか京はいつも設楽さんを酷く扱っている気がします。保護者なのにそれはどうかといつも思いますが、言わないでおきましょう。 ふと荷物の重みがなくなりました。どうしたかと見回していると、京が左手で持っていてくれていました。スパイスが入ったケースもあるのに・・・。 「あの、京、いいですよ?持ちますから」 「別に。持ってる」 「ケースもありますし、持ちにくいでしょう?」 「俺はそんな柔じゃない」 そう言われれば何も言えません。京のこういう優しさが、私は好きです。 姉さんたちに言わせると「どう考えても奏限定だよそれは」だそうですが、別にそれで構いません。むしろ他人にまで優しい人なんて嫌です。そんなこと言ったら姉さんたちの彼氏だってそうでしょう。 私にだけ、なんて特別な気がします。女は特別という言葉に弱いんですよ。 「お邪魔します」 京の家に着きました。玄関に設楽さんらしい靴はなかったので、まだ仕事なのでしょう。 フローリングに足をつけた瞬間、京に抱き寄せられました。当然驚いて京を見ます。 「け、京?あの・・・何ですか?」 「落ち着く」 身体が密着しているので、京の体温だとかが直に伝わってきて、その、動悸が・・・。知られていないかが不安です。 「は、離れてください・・・」 「やだ」 京は基本的に優しいんですが、何だか最近意地悪になってきました・・・。 強く抵抗できないことを分かってやっているんでしょうか。だとしたら相当性質が悪いです。 「奏」 「はい?」 それでも私は、 「好きだよ」 「――――私も、好きです」 優しくキスをしてくれる貴方が、好きだと思うのです。 #### ラファ様から相互記念に『立花くんのほのぼの』でいただきましたどうもありがとうございました! この二人のいちゃいちゃが好きです。 つくづく思うんですがヴァンリちゃん可愛いですよね← ともあれ相互ありがとうございました^^ |