君と僕。

□写メ
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土曜日。
いつもより遅く目覚める。


(……そういや……)

ある事を思い出し、着替えて階下へと降りる。


「母さーん、今日悠太が……」

「やーん、こっちの要君もカワイーvV」
「じゃあコレあげるんで、さっきの写メ下さい。」
「しょうがないなぁ…。ホントは誰にもあげたくないんだけど……特別よっ!」

悠太が遊びに来る、と伝えようと母の居るであろうリビングへ向かうと、そこには当の悠太と母がキャイキャイと携帯の画面を見せ合っていた。
しかも今、俺の名前出なかったか…?


……嫌な予感しかしない……。


「あ…か、要君っ…!」

入り口に佇む俺に気付いた母が、明らかに動揺する。携帯を持った右手をサッと素早く背中に回す。

…怪しい。

「母さん、今携帯隠したよな?」
「ま、まさか、そんなこと…

見え透いた嘘で誤魔化そうとする母から、携帯を取り上げ開く。

「………。」

目に飛び込んできたのは、ソファーで眠るかなり最近の俺。
しかも待ち受け。

「母さん…?」

画面を凝視しながら、携帯の持ち主に呼び掛けると、ギクッと身体を揺らす。

「ち、違うのっコレは隠し撮りとかじゃなくてね、」

「じゃあ何だよ、コレは。」

ずい、と母の前に画面を差し出す。

「まぁまぁ」

そこに、今まで傍観していた悠太が宥めるように間に入る。

「ってか悠太何で居るんだよっ!」

現在は10時を少し回ったところ。約束の時間までまだある。

「いやぁ、要に寝起きドッキリ仕掛けようと早く来たんだ。そしたらママさんが修学旅行の時の話を聞かせて、っていうからさ。」

「そうよぉ、要君全然教えてくれないんだもの。」

母さんが、危機から脱しようと話題に乗ってくる。

「……。」

ピッ

「あーーーっ(泣)」

データボックスまでいき、探して削除する。

「ひどぉーい要君の意地悪ー(´;ω;`)」

「鬼畜ー鬼ー」

「うるせぇ、悠太!お前も貸せっ」

悠太からも携帯を取り上げ、先程の会話からして交換しているであろう写メを探し、ついでに周囲の俺単体で写るものも数枚同時に削除する。

「あ〜あ…。」

悠太が残念そうに声を上げる。

「たくっ勝手に人の写メ交換しやがって…。」












††††††††

(実は要の写メ全部メモリーにコピーして有ったり…)

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