君と僕。
□ポッキーの日
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11月11日。
お菓子会社の陰謀によって「ポッキーの日」なんてものが作られた。
バレンタイン程ではないが、それでもそのイベントにのる人間はいる。
この教室でもそうだ。
あちこちでポッキーが目に入る。
そして、俺の視線の先でも。
「塚原ーこれやるよ。」
「サンキュ。」
少し離れた場所で、要にポッキーの袋を渡すのは、確か……要と同じ生徒会の奴。
いつも俺達と居るからと云って、別に他に友達がいないわけじゃない。
それは他の3人にも言えることだし、悪いことでもない。
…けど、何かむかつく。
「要」
席を立ち、ポッキーをくわえる要に近づく。
「それ、頂戴。」
「ん?あぁ、ホラ。」
要は袋の口をこちらに向け差し出す。
「そっちじゃなくて、」
言いながら、要の頬に手を添える。
「こっち」
ぐっと顔を近付け、要のくわえたポッキーごと要の唇を奪う。
勿論、要の友達の前で。
そして牽制の意を込めて横目で見る。
要は渡さないよ。