君と僕。
□赤ずきんちゃん
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在るところに要と云う少年が居ました。
要君はある日お母さんに、離れて住むおばあちゃんの家へお使いを頼まれました。
要君は別におばあちゃんが嫌いでも無いので受け入れました。
「寄り道は絶対にしないで、真っ直ぐ帰って来てくださいね」
「分かってるよ。」
「知らない人についてっちゃダメですからねっ」
「はいはい…。」
まだ何か言おうとするお母さんに背を向けて、要君は見舞品を片手に、早速おばあちゃんの家へ向かいました。
「ったく、母さんはいちいち心配性なんだよ…」
要君はぼやきながら、のどかな小道を抜けて、近道である森へ入って行きます。
その様子を、こっそりと木の陰から見ていた人がいるのに気付かずに…。