君と僕。

□要とタバスコ
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昼休み。

今日は生憎の雨なので、祐希・春・千鶴のクラスで昼食を摂る事にした。

一応、前の休み時間に茉咲も誘ってみたが、

『3年生の教室でなんか食べられるわけないでしょ。教室で食べるからいい。』

と断られた。
が、おそらく本当はこの間(体育祭で)出来た友達と食べるのだろう。
相変わらず素直じゃない、と、移動教室のついでに誘いに行った要と悠太は思ったのだった。





「あ、僕ちょっと飲み物買ってきますね。」

と、春が席を立つ。

「あぁ、じゃ俺職員室行くから、途中まで行こーぜ。」

要も席を立ち、提案する。
はい、と春は了解し、2人は教室を出ていく。

それを見送った千鶴は、自分の向かいの席にある要のパックジュースを見て、何かいい事を思いついたかのように、ニヤッと笑う。
そして、要の右側…自分からは左斜め向かいの祐希に耳打ちをする。

「なぁなぁ、ゆっきー………」





しばらくして、要と春は一緒に帰って来た。
結局、行動を共にしたのだろう。

「おかえりー、春ちゃん、要っち。」

千鶴はぶんぶん、と大きく手を振り、まだ遠くにいる2人に声をかける。

「ただいまです。」
「おぅ。」

そして、いつも通りの食事風景が流れる。


要がジュースに手を伸ばす。
その瞬間、千鶴の目はキランと光り、ジッと見つめる。祐希も、隣から眺める。
そんな視線に気付かず、要はズズーとストローを啜る。



要の動きが止まる。
みるみる内に顔が赤くなり、ゲホゲホとむせる。

「な、ゲホッ…んだ…コレ…。」

口の中が辛い。
この独特の辛さは、おそらくタバスコ。
しかもかなりの量。
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