君と僕。

□インナー
1ページ/1ページ

「要君


体育祭を終え、家でのんびりと疲れた身体を休めていたところに、数時間前に別れたばかりの春が珍しく鬼気迫る様子で、部屋に乱入してきた。

「な…何だよ…。」

その迫力に、さしもの要もどうして此処に、とか突っ込むことを忘れ、たじろぐ。

春はじとっと目の前の恋人をねめつけている。

「…。」

その視線に耐えられなくなった要は、目を逸らし、僅かに身動ぎする。

「何で…」

静かに、春が口を開く。それを要はちら、と横目に窺う。
そんな要を待っていたのは思いもよらない言葉。

「何で中にインナー来てないんですかぁっ
「はぁ?」
「だから、インナーです!
今日は体育祭…しかも要君はバレーだって云うのにっ!」
「……

要は春の意図が掴めず、ぽかん…と口を開ける。

「んなの…皆着てねーじゃん…。」

春だって、と付け加えるのを忘れない。

「他の人なんてどーでもいいんです。
でも要君は駄目なんです
「はぁ?何でだよ。」
「お腹が…」
「あ?」

「ジャンプした時にお腹がちらちら見えるじゃないですかー
破廉恥ですっ!
いやらしいですっ!
僕達にはまだ早いですぅっ!」

春は先程よりも大きく、最早怒声に近い形で、勢い良くまくし立てる。
それを聞いた要は、呆れた顔をしている。

「お前なぁ…。」
「その所為で僕、試合に集中出来なかったんですからねっ。」
「……春って意外とむっつりだったんだな…。」





おちはないww

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ