Plumeria

□prologue
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ざあざあざあ
ざあざあざあ

いたい。身体中がいたい。
全身に冷たい粒が打ちつける。


ざあざあざあ
ざあざあざあ

空は雲に遮られ、光など入らない。


やけにぶ厚い雲はのっそりと天井から外側の方へと流れていく。


ざあざあざあ
ざあざあざあ

薄汚れた灰色の建物が着飾った緑の植物。色とりどりの花々。濡れて、ひかる。


ざあざあざあ
ざあざあざあ

真っ黒な空に、
煌めいては消えない天井。



「おやおやユスラちゃん。風邪をひいてしまうよ」
「はい所長さん。すぐに戻ります」


濡れた身体が心地よい。
実感をすればしばらく眺めていた代償の冷えた肌がざらざらになる。

施設の中へと戻る足早な音は、雨音に徐々に消えた。

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