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□誕生日の出来事(ウルフ視点)
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自分のことを自分自身分からないことだって、ある。俺様にだって、ある。
リビングに顔を出したのは灰色の色をした狼、ウルフ。
「ふぁぁ〜ったく、誰も居ねぇじゃねえか。今何時だ?
」
現在の時間は10:00前後。この時間はいつもレオンもパンサーもいる。
「レオンは単独任務。パンサーはまたナンパだろう…あぁ暇だ」
一人でそんなことをつぶやきながらタバコに手を伸ばす…けど中身は入ってない。
「あぁ?なんだよ空っぽじゃねえか。仕方ねぇ、買いに行くか」
暇だった頃だ。ちょうどいい
ウルフは黒い上着を羽織ると、さっそくウルフェンがある倉庫へと向かった。
コーネリアの裏街。ここはならず者が集う場所で、ここではいつも、喧嘩が絶えない。もしくは表の者を連れてきて脅しを仕掛ける者も居る。
「ふんっ胸糞悪いとこだ。クズめ」
俺様はただのならず者じゃない。それを越える者だ。お前たちのようにただ自分の欲のためだけに生きるようなクズではない。
とりあえず自分のいつも使っているタバコと同じものを買う。やっぱりこの種類が一番だな
「…お前、ウルフ・オドネルじゃないのか?」
「あ?」
自分の名前を呼ばれ、袋に入ったタバコから目線を上げる。
「誰だてめぇ」
見慣れないやつ。ウルフはさっさとその者を無視して帰ろうとした。
「てめぇら!金だ!大金がいるぞ!やっちまおうぜ!」
何かと思えば、自分に賭けられた金を欲しがっている奴だった。
「…ハァまたか、悪いが、今そんな気分じゃねえんだ。また今度な」
そう言うと手をひらひらとさせてさっさとウルフェンに乗って帰ってしまった。
ったく、めんどくさい。いちいち相手にしてられるか