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□誕生日の出来事(ウルフ視点)
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とにかく自分の買ってきたタバコを口にしてリビングに戻るウルフ。
パァンッ!
部屋に入るとともに甲高な音が耳に入る
自分の頭には色がついた細長い紙と四角い紙。
「なんだこれは」
「ウルフ!誕生日おめでとう!!」
目の前に広がる光景はクラッカーを持った狐と鳥と…レオンとパンサー…
「なんだこれは?」
「今日はウルフの誕生日だ!おめでとう!」
「はぁ?」
意味もわからず、とりあえずカレンダーに眼をやる…あ、そうだ、今日は俺の…
「俺…全然覚えてねぇぜ…なのにお前らは何故覚えてる?」
「フンッ…ただ忘れっぽいだけだろ」
「うるせぇ」
口では大きなお世話だ、みたいな感じに行ってるが、実は嬉しいらしい
「旦那!分かったら早くケーキでも食べよう!」
「…そうだな」
いつもなら、甘いモノは苦手だ、とか言うウルフも、今回だけはいいだろうと事を了承した。
「じゃあ、俺から一言!」
「?何だフォックス」
「ウルフ、俺はお前に感謝している。いつも助けてもらっているからな。ありがとう」
フォックスからありがとうという言葉をもらったのは始めてだ。いや、もしかしたら昔にもあったのかもしれない。だがなんだか初めてに聞こえた。
「そんな事言っても、俺様は金やらねぇぞ」
「あー?そんなこと言うんだ。ならくれよ、金。今困ってんだよなぁ」
「だからやらねぇっつってんだろうが」
どっとその会話にみんなが笑う。普段笑わないレオンも、静かに微笑む。
「笑うなよ!ったく」
ずっと、このまま平和があって欲しいと願う。けれどそれは無理なこと。俺らは商売敵だから。たとえ平和を願っていてもその日が来ることは、ないと思う
「まぁ今回はありがとよ」
ウルフ顔を紅くさせて礼を言った。
終