box (shoet)
□冷たい誘惑
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「放して…下さい」
「そう焦るなって、ほらよ」
突然、冷やりとしたものが頬に当たった
あまりの温度差にびくりとしてしまった
そんな私を見てか
鷹村さんはにやにやし始めた
「@ちゃ〜ん?何びっくりしてんだあ?」
別にやましいこととかでびっくりした訳じゃないのに
何故かそういう理由でびっくりしたと思われている
…流石、傍若無人なだけある
「…冗談だよ、ジョウダン!つーかいらねえのかよ」
「え、あ…」
触れていたものが何かをやっと確認した
アイスだ
夏には欠かせない物の一つ
「お前がしんどそうにしてたからよ
しょおがねえから買ってきてやったのよ」
「そうなんですか?……」
素直に嬉しい
理由を知った瞬間、さっきまでの自分の思っていたことに
ひどく罪悪感を感じて鷹村さんを見れなくなった